シウォン side



しばらく。ヒチョリヒョンに仕事を回してもらったりして、凌いだ。いつまでも店には泊まれないから。ネカフェはしごしたり。日雇い労働してみたり...いつまでもこんなんじゃ...だめなんだろうけど...


その日は、バイク便の手伝いをしていた


『ここか...』


ビルの前にバイクを止める。受付があったので


『配達です。サインお願いします』


小綺麗なヌナに声をかけると。にこりともしないで。少々お待ちください。どこかに電話をして


『エレベーターで13階に行ってください』


え...ここじゃダメなのか。面倒だな...言われたとおり、エレベーターに乗る。13階で降りると。スーツ姿のナムジャが立っていて


『どうぞ。こちらへ』


何だ?たかだか封筒ひとつ届けるだけなのに...怪しいな...やばい会社でもなさそうだけど...


『社長。お連れしました』


ドアの向こうに声をかける。社長?直接じゃないと受け取らないとかか?そんな重要なものなのか?...どうぞ。凛とした声がして


『失礼します』


さすがにヘルメットを取った。ドアを開けると。社長らしきひとは、背中を向けて座っていて。机の上に封筒を置く。お届けものです。ご苦労様です。ですが...くるっと、椅子が回転して。そのひとがこちらを向いた。え...


『きゅ...キュヒョナ!?』


きっちり三揃いを着こんで、見違えるようなキュヒョンがそこにいた


『僕が届けてもらうように頼んだのは、あなたの方です』


立ち上がったキュヒョンが、俺に近づいてきて。確かに受けとりました。俺の手の甲に、《Cho Gyuhyun》とサインを書いた




《つづく》



※本日のラインナップ