※毎日、ドンへばっかですみません...(笑)
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ドンへ side
『ここが君の部屋だよ』
手を引いて。部屋に招き入れる。スタジオ代わりに使っていた部屋を片づけて。やわらかなラグと。クッションを置いて。カーテンをつけかえて
理解しているのかいないのか。ふわっと部屋を見回して。ちょこんとラグの端に座りこんだ
よーやく彼を迎えることができた。よーやく...
彼が暮らす施設を訪ねて。何度か面会を重ねて。彼を引き取りたいと申し出た。その才能を育てて。世に出したいと
最初は難色を示した。日常生活に助けがいるし、食べ物などの制約も多い。身体も弱いし、意思疎通も難しいと。そこは積んで。施設への支援と。デビューしたとして。その成功報酬と
確かに何をかんがえてるか、わからないところはあるけど。何度か会ううちに、俺を認めてくれた気がしていた。その眼差しが。何気ない仕草が。殺風景な施設の部屋よりは、いい環境を提供してあげたかった
何より
彼の声を側に置きたかった
在宅で仕事をすることも多いし。手が足りないならひとを雇えばいい。施設から、スタッフを派遣してもいいと言われたが。それは断った
置いてあったぬいぐるみに手をのばして。ひっぱったり、抱きしめたり。ふにゃふにゃと。遊んでいるつもりなんだろーか...
『ウニョガ』
そー声をかけても。一度もふりむいてくれたことがない
『ヒョクチェ』
彼の。生まれたときの名前を呼んでみる。色素のうすい、さらさらの髪がふんわりとゆれて。形のいーアーモンドアイが。俺を見上げた
《つづく》
※きのーの更新です