ジョンウン side



『やっぱり留学するってさ』


前からわかってはいたけど。メインボーカルが抜けることになって


『もうジョンウンでいいんじゃね?』


ヒチョリヒョンが。スティックをくるくる回しながら。それでもいいけど...メンバーは補充したいよな...


もともと俺たちのバンドは。何代も前の先輩が結成して。メンバーを入れ替えて活動してきた。留学するひとも多いから。入れ替わりは結構はやぃ。加入の条件は、この学校の生徒であること。メンバー全員が了承すること。そして。まぁイケメンなことにこしたことはない


『誰か、心当たりある?』


特には...俺も...ちょっと探してみるけど


『次のライブまでに見つからなかったら、ジョンウンでいいよな』


ジョンスヒョンに肩を叩かれて。ちゃんと歌詞は覚えろよ。ヒチョリヒョンが揶揄うように。はぁ...それが一番...面倒だな...


先にスタジオを出て。川沿いを歩っていたら。どこからかうた声が聞こえて。なかなか良い響きだな...音を頼りに川岸に降りていくと。フォークギターを抱えて、座っている小さな背中にたどり着いた。中学生か...高校生か...


『良い声してるな』


びくっとして。きょろきょろして。その頭がくるっと振りむいた。俺と目が合って。まん丸に見開かれる


あれ...こいつ...



《つづく》


※きこーの最終更新です