ドンへからの怒涛の着信は無視して。事務所のクルマで、シウォンさんを迎えに行く。鍵と一緒に、シウォンさんマネージャー専用のスマホも渡されたから。午前中はこれだけ見てよ...


朝早いのに。シウォンさんは外で待っていた。きっちりと髪の毛を整えて。このまま撮影できるくらい。誰かさんとはえらい違いだ。片手にコーヒーを持っているから、どこかカフェにでも行ったのだろーか...


『お待たせしました』


ドアを開ける。こちらこそすみません。クルマに乗り込みながら


『オフだったそうじゃないですか』


あ...まぁ...


『特別手当をつけるように。言っておきましたから』


そんな...仕事ですから。行きますよ。お願いします


『今日は、ヒョクチェさんの仕事ぶりを、拝見させてもらいます』


仕事ぶりなんて...今日はドライバー程度ですから...あぁ。そういえば


『来週、この映画の試写会があるんですよ』


良かったら来ませんか?招待者リストに入れておくように、事務所には言っておきますから。招待って...


『俺、ただのマネージャーですから...』


仕事もありますし。そんなとこに招待なんて...そうですか...


『それなら、映画の招待券を差し上げましょう』


まだ余りがあったと思うので。はぁ...お好きなときに観てください。はぃ...あ...


『そろそろ着きますよ』


集まったペンたちの数にちょっとびびった。ドンへの比ではない。やっぱ人気あるんだなぁ...群がる子たちを慎重に避けて。駐車場にクルマをいれた



《つづく》


※本日のラインナップ