※カテコたてました


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失敗した...完全に失言だった...


シウォンさんのグラビアを見て。グラビアと言っても。主演映画の宣伝で。出演者さんたちと、ファッション誌の表紙を飾ったやつで


『へぇ。さすが。いー身体してんだな』


素肌に細身で、短めのデニムジャケットを羽織っていて。くっきり割れた腹筋をちら見せしてて



何気なくいった言葉を。しっかり覚えていやがった



『もっとおっきめのジャケットがいー』


素肌にはおるかんじでさー。さーじゃねーよ、さーじゃ...


『ドンへさん。雑誌の雰囲気ってものがですね...』


俺が言っても、ぷぃっとそっぽを向く。ったく...変なとこ、強情なんだから...


『ちょっとすみません』


困り顔のスタイリストさんたちに断って。ドンへを隅の方にずりずりと連れていく。お前な...


『いい加減にしろよ』


ぷーっとほっぺたをふくらませる。仕事なんだぞ


『見せたいんなら、今度、そーゆーグラビア取ってくるし』


そーゆーんじゃないもん!肩にのせた俺の手を振りきる。じゃぁ、何なんだよ!


『ヒョクは、あーゆーのが好み?』


シウォンみたいな...またシウォンさんか...そもそも、オトコに好みもへったくれもねーわ。深呼吸をして。ドンへの両肩をつかむ


『ドンへ』


しっかり目を合わせて。いまお前が考えなきゃいけないのは、雑誌に載るのを楽しみにしてるペンたちのことだろ


ん...反論できなくなったのか。うつむいてくちびるを噛む。ばか。これから撮影なのに、くちびるなんて噛むんじゃねぇ...それに


『俺にだったら、いつでも見せられんだろーが』


ぱっと顔をあげる


『そっか!そーだよね!』


目をきらきらさせて。やべ...しくったか...


とりあえず。撮影はうまくいったけど...ドンへはそれ以来、家にいるときは、ほぼパンイチで過ごすよーになった...



《つづく》


※きのーの最終更新です