※妖精に居座られてしまったドンへのお話しです←


******************



なんでまだいんの...あたまを抱える。妖精くんの能天気なにこにこ顔に、さすがにいらいらしてきた。布団をがばっとはね飛ばして。どかどか近づいて。膝を抱くようにまわされた腕を、ぐっとつかむ。怯えもしないで。きょとんとして。つかまれたとこと俺の顔を、交互に見ている。つかめるってことは...幽霊とかじゃないのか...


でもなんだろ...見た目は人間なんだけど。なんてゆーか...重さがかんじられないとゆーか...透明感とゆーか...


やっぱり妖精?幽霊?宇宙人!?


いやいや。あたまをぶんぶんと振る。うん。俺は疲れてるんだ。それだけだ


これ以上関わらない。そー決めたじゃないか


いろいろ振りはらうよーに熱いシャワーを浴びて。あ、きのーあんなだったから、シャツにアイロンかけんの忘れてた...まぁいーか...比較的きれーなシャツを着て、ネクタイ結んで


妖精くんににこにこ見つめられて、朝メシ食べんのも居心地わるいから。どっかでカフェでも寄るか...


てか...妖精くんはどーすんだ?きのーから水とか飲んだ様子もないけど...何、食べんだ?それに...きのーと同じ場所に、同じ格好で座ってるけど...一晩中そのままでいたのか?妖精って寝なくていーの?


いやいやいや。お前、妖精のこと気にしてる場合かよ。今日は大事なプレゼンがあるじゃないか


カバンを持って妖精くんの横をすり抜け、靴の汚れをささっとはらった


『いってらっしゃい』


...いってきます...こんなふーに誰かに送りだされるなんて...いつぶりだろ...



プレゼンでそこそこ手応えをかんじて。同僚とちょっと飲んで家に帰った。ドアを開けると


『おかえりなさい』


...ただいま...昨日と同じ、朝と同じよーに。妖精くんがにこにこして座っていた



《つづく》


※ちょっとしたホラーな気がしてきた(笑)

※きのーの最終更新です