ドンへ side
 
 
ヒョクチェ?ずいぶんおとなしくしてるとおもったら、テーブルの上のいちごに釘づけで。くちをぽかんとあけて。よだれなのかくちびるをてかてかさせて
 
たべたぃ?いちごから目をはなさずにこっくりとうなづく
 
《あんたは甘すぎるんだから》オンマによくゆわれる
 
『ごはんの前だからすこしだけね』
 
ん。よーやく俺の顔をみてわらってくれた。にっこりと。いくつかあらっていると俺のうごきを目でおう。ヒョクチェのハルモニがもってきてくれたいちごは、ひとつがヒョクチェのにぎりこぶしくらいあって
 
はぃ。ヘタをとってひとつもたせてあげる。ありがと。ちーさなくちでかぶりつく。おっきすぎるからすこししかかじれなくて。でもかじってもまだその手にいちごがあるのがうれしーのか、にんまりしながら。くちのまわりも手もあっとゆー間にべたべたにして
 
パパもー。俺のくちにおしこむ。たべかけを。ん。うまぃ。あまぃ。ありがと。そのあたまをなでて。かわりにまたひとつもたせてあげて
 
両手でつかんで。一生懸命かじって。やっぱり最後は俺のくちにいれてくれて。ぜんぶひとりでたべればいーのに。くれなんてゆってなぃ。でもヒョクチェはかならず俺にわけてくれる。なんでも。くちのまわりと手をふいてやって
 
甘すぎてもしかたないだろ、オンマ
 
 
 
《パパのしあわせな日》
 
 
 
※本日のラインナップ