光よりはやく拡散した熱愛情報は次の日には収束していた。ドンへが全否定したからだ。こーゆーのにのっからないところがまじめとゆーか律儀とゆーか…
強引なところはあるけれど、ドンへは俺がいやがることやきらいなことはしない。ちゅーだってその先だってちからずくで果たそうと思えば不可能でもないのに、実力行使には及ばないんだ
彼女からは《やっぱりドンへ先輩には勝てませんでした》とカトクがきた。最初からわかってはいたんですけど…先輩がやさしいからちょっと夢見ちゃいました。ありがとうございました。ぺこっとゆースタンプつきで
仲立ちしたクラスの女子からも謝罪をうけた。実はドンへとおなじ中学にいた友だちがドンへにふられたことがあったらしく…なかなか俺がドンへに堕ちないのを見て、いまがチャンス!とばかりに復讐心がわいたらしぃ
ドンへを傷つけたかったと。すきなひとにふりむいてもらえない、そのひとがほかのひとの元にいってしまう苦しさを思い知らせたかったと
みん彼なんて呼ばれんのもいーことばっかじゃないんだな…
『俺の愛が勝ったんだねー』
また俺を独占できるよーになってここんとこご機嫌だ
俺だって支離滅裂なことをゆって泣きわめくドンへを突きはなせないくらい情はわいている
でもそれは友だちとしてだ。親友とゆってもいぃ
今回の件で俺だけでなく、ドンへも俺にふりまわされてることに気づいた
《みん彼なんてやだ…ヒョクチェだけの彼氏がいー》
彼氏って…ドンへが彼氏ってことは俺が彼女になるわけだよな…すくなくともこいつはそーみてんだよな…
なぁ…
ん?何?
くちのまわりをべったべたにしながら、ハンバーガーをぱくついて
『たとえば…お前…俺を…だけるのか?』
うん!にっこにこで
即答かよ!
『でもヒョクチェがいやなら俺がだかれるんでもいーよ』
おもいっきりずっこけた。いーのかよっ!
お前に節操はないのか…
ってゆーかそーゆーこともかんがえてんのか…やっぱり
『俺、ヒョクチェがいやなことやりたくないから。どっちもやならしなくてもいーし』
い、いーんだ…でも
『それなら…友だちと変わんないんじゃ…』
『変わるよ!全然ちがう!』
わ、わかったから…わかったからくちのまわりをふけっ!
お前がよくても…それはお前にガマンさせてるってことだよな。無理をしいてるってことだよな。そんなの対等じゃないよな…
『そんなに…恋人になりたいか?』
うん…なりたい…へへ…ほっぺたをほんのりあかくして
じゃぁ…
『俺が…この先どーやってもお前の恋人になることはないってゆったら…お前はどーする?』
え…
ドンへの手からたべかけのハンバーガーがぽろりとおちた
《(17)につづく》
※本日のラインナップ
Don't Wake Me Up 12(あめ限)