『ヒョクチェ、みっけたー』
かえるー。ドンへがうしろからとびついてきた。ん…こんなふーにかえるのは久々かも
腹へったー、なんかたべいこー。まとわりつくドンへをてきとーにあしらいながらあるいていたら、正門のちかくに彼女が立っていた
あ…
その視線にドンへも気づく。そして声をかけよーとちかづきかけた俺の前にたつ
『約束でもしてんの?』
いえ、そーゆーわけじゃ…
そんならいーよね。ヒョクチェは俺とかえるんだ。つめたくいいはなつ。真顔で
ドンへ!
めずらしー。ドンへがこんないー方するなんて。なんせみん彼なんて呼ばれてるくらいだから
すみません…彼女はうつむいたままあたまをさげて走っていってしまった
ちょ、ちょっと…
おいかけよーとした俺の腕をドンへがつかむ。いくなよ!
『なんだよ、あんないー方。お前らしくもない』
ぐっとつかむ手にちからがはいる
俺らしーって何…
え…
俺らしーって何ぃっ!
ドンへ…
『みん彼はあんないー方しないだろ。かわいそーじゃんか』
なんで…ドンへの目にぶわっとなみだがたまる
『なんでかわいそーなの?オンナの子だから?年下だから?かわいーから?やさしーから?泣かせたから?』
そ…そーゆーことじゃなくて…
『俺はかわいそーじゃないの?オトコだから?バカだから?ワガママだから?俺だってヒョクチェのことがすきなのにぃっ!』
ば、ばか…お、お前…
あわててドンへをひとのいないほーにひっぱってゆく
やめろよ…ひとがいるとこで
『なんで?なんで…あの子はよくて…俺はダメなの?』
そんなことゆってねーだろ…
満タンだったドンへの両目からなみだがあふれる。まるで洪水だ
ずるいよ…ずるい…
ひっぐ…俺…ヒョクチェにひとめぼれで…こんなのはじめてで…ふぇっ
オトコなのにっておもってもどーしよーもなくて…うぐっ…どーしたらいーかわかんなくて…
俺のこと気づいてほしくて髪の毛ピンクにして…ひっく
俺だけを見てほしくてバカなことばっかして…
ヒョクチェがみんなにやさしーのしってるけど…俺だけじゃないってわかってるけど…えぐっ
一緒にわらってくれるよーになってうれしくて…でも俺のことはあんなやらわかい笑顔で見てくれない…ひぃぃっぐ…うぐっ
なくな…ドンへの身体をだきよせる…
俺…俺…みん彼なんてやだ…ヒョクチェだけの彼氏がいー…
ん…
お…俺、ヒョクチェがすき…すきなんだ…ひっく…うぐ…
ん…わかったから…おちつかせるよーに背中をぽんぽんとたたく
そのあいだに…
《イ・ヒョクチェ とうとうみん彼と熱愛!》とゆー速報が写真つきで光よりはやく拡散されていたことを、友だちからの山のような祝福メッセージで知ることになる
《高校にもディスパッチ?》
※本日のラインナップ