どうして、私はこんなにも色に惹かれるんだろう。
小さいころから、大好き。
12本の色鉛筆を眺めるだけで、幸せだった。
誰かが使ってぐちゃぐちゃになった色鉛筆を、
綺麗に揃えると世界が整った感じがした。
色鉛筆は定位置に戻ると、ホッとしているように見えた。
色は自分の場所に落ち着くと、力を発揮する。
今でも、文房具売り場で、誰かが間違って戻したボールペンとか直してたりする。
色が揃えてって言うんだもん。
色鉛筆やクレヨンは、すぐに人気色が短くなっちゃう。
赤とか青とか。
黒はずっと長いまま。
ホントは、全部の色を均等に使ってあげたかった。
なかなか難しいんだけど、ね。
幼稚園のとき、全色のクレヨンでチューリップを描いた。
赤白黄色にとらわれないで、黒いチューリップ。
絵とかで褒められたのは、これが最初で最後かも。
染めものをしているとき。
点々を描くとき。
洋服を選ぶとき。
夕焼け空を見上げるとき。
雨に濡れた木々の間を抜けるとき。
いつだって、色を感じてる。
今は紫陽花があまりにも美しい。
それこそ、染めもの師がいるのかと思うくらい。
花びら一枚一枚、染め上げられている。
私は 色と色が出会う その瞬間がたまらなく愛おしい。
グラデーションも。
コントラストも。
色と色が織りなす この世界が 大好きだ。
もはや、色への執着は変態だ。
色への変態的な嗜好は 染めものが決め手になったかも。
束ねられたり、縛られたりした真っ白な布。
そこで 染め液と染め液が 出会う。
濡れた布に 色はじんわりと滲んでいく。
「まぐわう」って言葉がピッタリだと思った。
※古語で男女の交わりのこと
目合う 目と目が合うということから、昔はその場で初めて顔を合わせるので。
「目と目があったらミラクル♪」ってあったなぁ。
色と色とのまぐわいによって、新しい色合いが生まれる。
なんて甘美な世界なんだろう………
できあがりを紐解くときよりも、
この瞬間がいちばん好き。
一瞬のできごと。
絶。
道端の紫陽花の花弁の色もおんなじ仕組みなんじゃないか?
宇宙自体 つねに 一瞬一瞬の 絶。
それが絶え間なく、繰り返されてるのね。
永遠に見えて、つねに 絶。