今、トルコが聖書中の北の王の特徴を持っているということを先回の記事で説明しました。ですから、まもなく、EUに加盟する可能性の高いトルコが北の王になるかもしれないと考えています。
今回の記事では、EU内で、将来、イスラム教勢力と、イタリアやギリシャなどのキリスト教国家勢力で争いが起こり、EUが内部から崩壊する可能性について、聖書の預言から説明します。
ダニエル11章の預言によると、北の王は、一度目の南の王に対する軍事攻撃の時には、おおむね成功します。しかし、二度目の南の王に対する攻撃では、失敗してしまいます。「キッテムの船」に敗北してしまうのです。(ダニエル11:30)
「キッテムの船」とは何を意味するのでしょうか。 「キッテム」とは、「キプロス」を意味するので、キッテムの船に乗っているのは、ローマ人を含めてキプロス島周辺の諸国家であると考えられます。それで、キプロス島周辺の諸国家が北の王に勝利を収めることになっています。ところでキプロスは、ほとんどギリシャ正教会のギリシャ系住民が住んでいます。
それで、「キッテムの船」が意味するのは、ひとつにはギリシャ正教会のギリシャの海軍である可能性があります。
キッテムとはキプロスを意味してキッテムとはキプロス沿岸の諸国を意味し得る-キプロスではギリシャ正教徒が支配的
さらに、「キッテムの船」は,マソラ本や七十人訳では,「ローマ人」、ウルガダ訳では、「三段オールの船とローマ人」と訳しています。七十人訳ダニエル11章30節の一部は、”The Romans will come and will expel him and rebuke him.”となっています。ですから、確かに「キッテムの船」が、「ローマ人」となっている聖書の訳があります。
七十人訳ではキッテムの船はローマ人となっているので将来イタリアまたバチカン市国の兵士が北の王と争うことになるのかもしれない
ですから、北の王をがっかりさせることになっている「キッテムの船」とは、イタリア、あるいはバチカン市国のローマ人の海軍であると解釈できます。
ローマカトリック教会の諸国家は米国との同盟のために戦い神の目に売春を行うことになるのではないか
それで、北の王が二度目に南の王を攻撃しようとする時に、イタリアとギリシャは、おそらく、南の王米国の同盟軍として戦闘に携わることになるのではないかと思います。
わたしは、ダニエル11章のこの記述は、啓示11章の記述と調和しているはずだと思います。啓示11章には、モーセやエリヤのような二人の証人が、敵に対して預言することが預言されています。(啓示11:3-6)
そして、二人の証人は、自分たちを損なおうとする者がいれば、口から火が出て敵を殺すことができることになっています。また、二人の証人は、「水を血に変え,あらゆる災厄によって何度でも望むだけ地を打つ権威」も持っています。
そのようなことを昔行っていた預言者は、北のイスラエルで預言したエリヤと、エジプトに対して預言したモーセです。ですから、二人の証人は、霊的なエジプトである南の王に対して、強い警告を伝える預言者のような諸国家を表わしているのでないかと思います。
啓示13章の二人の証人に関する記述は、ダニエル11章の記述と調和するはずなので、二人の証人とは、イタリアのローマカトリック教会員と、ギリシャのギリシャ正教会員を表わしているのではないかと思います。
啓示13章の二人の証人はモーセのようにエジプトに敵対する預言をする
-彼らはローマカトリック教会のイタリアとギリシャ正教会のギリシャを意味しており南の王との関係が敵対的になるのではないか
さらに、啓示13章では、二人の証人は、大いなる都市、すなわち南の王大いなるバビロン米国に捕らわれになることになっています。ですから、この二人の証人は、米国との関係がとても悪くなるようです。
神の目から見て、預言する事、神の目に悪いことを行っている実体に対して反する預言をすること、あるいは反対を唱えることは間違っていません。神はクリスチャンが預言する、すなわち神の音信を伝えることを求めています。でも、聖書ははっきりと、クリスチャンが剣をとって戦うことを非としています。(マタイ26:52)
また、軍事強国に軍事同盟を結んで頼ることは、神の目に性的な不道徳です。(エゼキエル23:11-17)ふたつのキリスト教諸国家は、そのような点で神の目に罪を犯すことになるようです。彼らは、神の目に売春を行ないます。すなわち、剣をとって戦い、また、南の王との軍事同盟に頼って、神の目に霊的な売春を行いました。
それで、キリスト教の諸国家が神から非とされる当然の理由を作ることになります。それで、この二国は、南の王に対して強い反対となる預言をしながらも、南の王との軍事同盟に基づいて行動するという矛盾したことを行うのではないかと思います。
第二次世界大戦後の歴史を振り返ると、イタリアとギリシャはすでに、神の目に何度も、売春または淫行を行っています。
2001年ISAF(国際治安支援部隊)が創設され、NATOのイタリアはフランス・ドイツ・カナダと並んでISAF参加国の主軸を担って、アフガニスタン紛争に参戦しています。
ギリシャはNATOに加盟し、朝鮮戦争に参戦し、ISAFの一員として、アフガニスタン紛争、ソマリア内戦、リビア内戦に参戦しました。
バチカン市国は、第二次世界大戦から現在に至るまで非戦と中立の立場を保っているので、それは神の目に正しいです。今後の動向を見て行く必要があります。
それで、おそらく、ギリシャもイタリアも米国のために、集団的な自衛権を行使して北の王と戦闘を交えることになるのでしょう。NATOは、同盟軍として、集団的な自衛権を行使して一緒に戦うからです。そのために、第二次世界大戦後、多くの紛争に、それまでに中立の立場をとってきたヨーロッパ諸国でさえ、米国がかかわる紛争に共に参加してきました。
イタリアとギリシャは過去にEUの一員として、米国のために集団的自衛権を行使して、参戦しているので、将来にも同じことが起こる可能性が高いです。
もし、北の王がトルコであるならば、EUは、一方はイタリアとギリシャというキリスト教国家側、一方はトルコという基本、イスラム教国家側に分裂することになります。
しかし、「キッテムの船」が行なったことは、神から非とされて当然の行いでした。そのため、彼らは、再び攻めてきた北の王に敗北し、また、南の王の領土に捕らわれとして連れていかれるのです。
(4)EUがこの時崩壊すると考えられるのはなぜか
イエスは「内部で分裂している王国はどれも荒廃し,内部で分裂している家は崩壊します。 同じように,サタンも自分自身に敵対して分裂しているなら,その王国はどうして長く続くでしょうか。 」と言われたことがありました。(ルカ11:17,18)
それで、この時点で、EUはイタリア、ギリシャ側のキリスト教国家側と、イスラム教国家トルコ側とに分裂することになります。それで、EUはこの時点で崩壊するのでないかと思います。
EUは北の王が南に対して二度目の攻撃をする時ふたつに分裂し崩壊することになるのではないか
すなわち、EUはトルコが南の王の2度目の攻撃をする時に崩壊し、なくなることになるのではないかと思います。
また、北の王は、将来、EUを再び作るように提唱することが予告されているようです。そして、北の王は、新しいEUなどの反米勢力を率いて、南の王を攻撃することになるようです。
もちろん、聖書はクリスチャンに剣をとって戦うことを認めていません。また、北の王を崇拝して盲従することも認めていません。
でも、私たちは聖書の預言を知り、その預言が成就していくかどうかを観察していくことによって、真の神がおられるのかどうかを確認し、また、神に従って行動することが賢明であることを知ることができます。
ですからEUに加盟しているということは、将来、ゆくゆくは南の王を攻撃して滅ぼす国家に属することを意味するのかもしれません。そのことは次回また説明します。それで、EUに加盟していない方が、南の王と永続的に良い関係を持つ結果になるかもしれません。