【目次】
(1)すべての国の人がおひとりの創造者から創造されたという聖書の教え
日本は、昔、わたしたちの祖父や父親の時代に、日中戦争や太平洋戦争で、何百万人、ひょっとすると何千万人ものアジアの人々の血を流しました。わたしの父親は、存命中、戦時中の話をほとんど全くしなかったので、どこで何をしたかはまったく聞いていないのですが、太平洋世界大戦中には、若い兵士として戦地に赴きました。
今生きている日本人の高齢者の中には、太平洋世界大戦中、戦地に赴いて現地の人々を殺害したという人もいると思います。また、わたしたちの世代の中には、自分の父親や祖父が兵士になって戦地に行って流血行為を行なったという人もいると思います。
わたしは、現在の日本人が、自分、あるいは父祖によって流されたアジアや他の国々の人々の命の血を流したことが命の与え主に対する罪であるということを認めるべきだと思います。
しかし、日本人の非常に多くの人々は、神道や仏教を信じています。また、進化論者か無神論者です。日本の宗教の信者数は、文化庁『宗教年鑑』平成29年版によると、仏教系が48.1%、神道系が46.5%、キリスト教系が1.1%、諸教(神道系・仏教系・キリスト教系以外であるもの)が4.3%です。でも、これは宗教団体の回答に基づいて集計された調査です。
普通、個々の国民へのアンケート調査などでは、「何らかの信仰・信心を持っている、あるいは信じている」人は2割から3割という結果が出ることが多いそうです。この統計の方が実情に近いと感じます。日本人の場合、仏教か神道か進化論者か無神論者が多数派を占めています。キリスト教の聖書や創造者なる神を信じる人は日本人の中では、ほんとに少数派です。
日本では、学校教育でも、メディアでも、進化論について教えられることが普通です。創造説を取り上げることはほとんどありません。そのため、日本人の中で、進化論者や無神論者の無宗教な人がとても多くなっていると思います。それで、神道を信じている人でも、進化論を信じていて、本当の意味では、神道を信じていないという人が多いかもしれません。
I, Toony
日本では学校でもメディアでも進化論のみしか教えられていないため創造者を信じる人がとても少ない
しかし、戦前は、日本政府により神道教育が非常に強力に推し進められたので、年配の方の中には、今でも神道を信じているという方が少なくないかもしれません。それでこの記事では、日本の宗教事情がどのような状況か、世界の諸宗教がいつごろ書かれたのか、神道が比較的新しい宗教であることを説明したいと思います。
(1)すべての国の人がおひとりの創造者から創造されたという聖書の教え
聖書のキリスト教は、人類は創造者なる神から創造された一組の夫婦アダムとエバの子孫であると教えています。「1人の人から全ての国の人を造って地上全体に住まわせ …ました。」とあります。(使徒17:26)ですから、神のみ前での、すべての国と民族の人々の存在の価値は平等だと教えています。
聖書は最初の夫婦から全人類が派生してきたと教えている
そして、このような聖書の教えを歴史上著名な科学者たちも受け入れていました。地動説を唱えたコペルニクス、その教えを擁護したガリレオ、ケプラーの法則を発見したケプラー、万有引力を唱え微積分を発見したニュートン、相対性理論を発見したアインシュタイン、物理学者のホーキングなどすべての物を創造された神を信じていました。ですから、聖書の教える創造者の概念は、物事を緻密に論理的に考える科学者たちの思考にも耐えるものです。
ホーキング博士-物事を科学的に考える科学者も創造者なる神を信じている
そして、聖書の教えでは、創造者が命の源であり、神は、他の人の命を奪うならば、殺人者にその責任を問われます。(創世記9:5,6。ローマ14:12)
日本人の多くは、日本の神道が世界でも古い宗教だと感じています。しかし、実情は、そうではありません。日本の神道の聖典は、古事記と日本書紀です。西暦8世紀初頭に古事記は作られました。古事記は、西暦712年、元明天皇の時に稗田阿礼が暗唱していた天皇の系譜や古い伝承をまとめてできたものとされています。
真福寺収蔵の国宝・『古事記』。信瑜の弟子の賢瑜による写本
日本の神道の信仰の根拠である古事記は西暦8世紀初頭に作成された
一方、世界で最も信徒数の多い宗教はキリスト教です。キリスト教の聖典である聖書の最も古い部分は、モーセによって書かれました。創世記には神が宇宙と人間を創造された記述が含まれています。
創世記はエホバ神が宇宙を創造されたことを教えている
wikiによると、モーセは、紀元前16世紀または紀元前13世紀ころに活躍した人です。ですから、聖書が書き記された時期は、古事記が書き記された時期より約2000年以上は古いことになります。確かにその聖典が古ければ古いほど、人類の歴史の始まりについてより正確な記述をしているのではないかと考えられるのではないでしょうか。
仏教も神道より古いです。仏教の開祖であるインドのガウタマ・シッダールタは、紀元前5世紀前後の人とされています。仏陀または釈迦やその弟子たちの言行録が三蔵と呼ばれる経典にまとめられました。
完全な形で現存する三蔵は、パーリ語経典のみで、現在、スリランカ、タイ、ミャンマーなど東南アジアの仏教国で広く用いられています。これらは紀元前2世紀-紀元前1世紀ころまでに徐々に形成されたものです。ですから、一番古い仏教の聖典は、神道の古事記より、およそ九百年くらい古いことになります。
ちなみに、仏教では創造者なる神の存在は基本的に認められておらず、仏教は、世界の成り立ちについて教えていません。仏教は世界は永遠の昔から物質世界が存在すると教えています。そして、キリスト教の方が、仏教よりも約1,000年古いです。
イスラム教も神道よりも古いです。Wikiによると、イスラム教の聖典クルアーンまたコーランの啓示を、西暦610年にムハンマド(マホメット)が受け始めました。ですから、イスラム教の啓示の方が、神道の古事記より約100年古いことになります。イスラム教のクルアーンに出てくる人名は、聖書と調和した人名の記述がとても多いです。
イスラム教はすべての物の創造者を認めているが神道より約100年古い
ですから、神道の聖典の古事記は世界の大きな宗教の中でも一番遅く形成された部類に入ります。今回は、日本の宗教事情がどのようになっているか、神道が世界の諸宗教の間でどのような位置にあるかを簡単に説明しました。次の記事で、神道の教えがどのようになっているかを調べてみたいと思います。