腹水管理で有名なK病院で初診を受けた | 大腸ガンで逝ってしまった双子の妹の451日の闘病記録

大腸ガンで逝ってしまった双子の妹の451日の闘病記録

2022年8月に54歳の若さで大腸(横行結腸)ガンにより逝ってしまった双子(二卵性双生児)の妹の闘病生活を兄目線で想い出しながら記録として残します。

2022年5月21日(土) 13:00~ 【K病院 外来診察室】

 

21日(土)に最終兵器『ステロイド』の力を借りてG研有明病院を退院した妹は、その足で紹介状をもって妹の自宅近くにあるK病院の初診を受けに行った。

 

このK病院は入院設備を完備したいわゆる総合病院ではあるが、過去には女優のK島なお美さん(故人)も治療を受けたことがある腹水管理の第一人者であるM先生が勤務されている。

 

妹は大量腹水以外の症状は無かったので、取りあえず腹水さえ制御できれば自宅で過ごすことも可能であったため、最後の望みとしてM先生を頼ってK病院への紹介状を書いてもらった。

 

【副院長の初診】

 

※自分が診察に付き添った時は必ずスマホで先生の説明を録音していたので、そのデータから文字起こしした診察室でのおおまかな会話内容です。

 

Y先生:「初めまして、副院長のYです。よろしくお願いします。」

 

妹:「初めまして、XX(妹の苗字)です。よろしくお願いします。」

 

Y先生:「G研有明病院からの紹介状を拝見しました。今後どういう風にしたいか希望はありますか?」

 

妹:「とにかく最近は腹水が溜まるスピードが速すぎで自宅で一人で生活する自信がありませんので、腹水さえ抑える事が出来ればと思ってここに来ました。」

 

Y先生:「CART療法ができるのが2週間に1回のペースなので、ウチでは直ぐに溜まってしまう人に対しては途中途中で前抜きして、それを冷凍保存しておいて2週間経った時にまた全量抜いて、それと合わせて濃縮還元するっていう方法を取ってますので、それをやるのが一番良いかと思います。

 

それをMという先生が中心になってやっているから話を通しておくので、来週月曜日にでも診察を受けてもらって早速スタートしましょう。」

 

妹:「分かりました。よろしくお願いします。」

 

Y先生:「前回CARTやったのが、いつだっけ?」

 

妹:「G研でやったのが16日で5リットル抜きました。」

 

Y先生:「そうすると次にできるのが30日以降になるので、それまでに1~2回前抜きしないとダメかも知れないね。

 

そこら辺はM先生が判断してくれるから、来週相談してみてください。」

 

妹:「その前抜きするというのは入院してやるのですか?」

 

Y先生:「前抜きだけだったら外来の処置で済むのでそんなに時間掛からないから、終わったら帰れますよ。」

 

妹:「そうなんですね~。それは助かります。」

 

Y先生:「お腹が張ってどうしても辛いのであれば、少量の麻薬鎮痛剤『オピオイド』を使っていくこともできるし、それはボクが専門だから大丈夫。

 

食欲無い時は果物、アイス、プリン、ヨーグルト、ゼリーなんかを食べていれば問題ないです。

 

逆に無理に栄養価の高い物とかを食べさせると気持ち悪くなるだけだから無理しなくて良いからね。

 

あと、もし緊急であれば在宅もやっているし、ウチは救急もやっているから夜間でも直ぐに往診に行くこともできるから、24時間いつでもすぐに連絡くれれば良いから。」

 

妹:「それは安心です。よろしくお願いします。」

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今日診ていただいた副院長のY先生は話し方が優しく穏やかな麻酔の専門医であったので、妹も辛い時には頼りにできそうと安心した表情を見せていた。

 

自宅の近くにこうした24時間緊急対応をしてくれる病院があったことが奇跡のようで、見守る家族としてもとても心強い味方を得た気持ちになった。

 

しかも、ここはG研有明病院とも繋がりが強いらしいので紹介してくれた地域連携の看護師の方に感謝である。

 

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