初めて腹水を抜いた後の診察 | 大腸ガンで逝ってしまった双子の妹の451日の闘病記録

大腸ガンで逝ってしまった双子の妹の451日の闘病記録

2022年8月に54歳の若さで大腸(横行結腸)ガンにより逝ってしまった双子(二卵性双生児)の妹の闘病生活を兄目線で想い出しながら記録として残します。

2022年3月7日(月)9:30~  【G研有明病院 化学療法科】

 

この日は先週入院してCART療法にて6.3リットルもの腹水を抜いた後の初めての診察の日である。

 

※自分が診察に付き添った時は必ずスマホで先生の説明を録音していたので、そのデータから文字起こしした診察室でのおおまかな会話内容です。

 

W先生:「こんにちは~XX(妹の苗字)さん、その後、体調はいかが?」

 

妹:「はい、先週腹水を抜いてもらってから、身体も軽くなり食欲も回復して、とても快調です。

 

そこで明日からまた旅行に行きたいんですが、次回14日(月)の点滴をずらすことは難しいでしょうか?」

 

W先生:「それは良かったね~。今日は状態も落ち着いているし、体調も良さそうだから今日2回分の点滴をやってしまうということは出来ますけど、やってみるかい?」

 

妹:「はい、もしそれが可能ならそうしてもらいたいです。」

 

W先生:「分かりました。それよりお腹の張りとか体重は増えて来ない?」

 

妹:「今のところ、腹水抜いてから特に変化は無いですね。」

 

W先生:「あ、ホントに。CARTやっても抗ガン剤が効いていない人だと抜いても1週間で元に戻っちゃう人とかいるから、それなら良かった。

 

CARTだけでは腹水は抑えられないから、たぶん新しい抗ガン剤が効いているんだと思います。」

 

妹:「そうですか~安心しました!!」

 

W先生:「顔の皮疹がちょっと心配だけど。点滴の影響なんだけど、顔は出やすいんだよね~。ただ、そのお陰で病状が抑えられているので、辛いとは思うけどちょっと我慢してね。」

 

妹:「分かりました。ちなみに腹水の中に出血していた理由は何ですか?」

 

W先生:「あれはね~ガン細胞っていうのは自分が育つために栄養が必要だから、自分で『腫瘍血管』という血管を作ってその栄養を補給しようとするんだけども、その血管というのは正常の血管と違ってすごく脆いのね。

 

あと、腫瘍自体も正常な細胞と違ってジュクジュクしているから、ガン細胞やさっき言った『腫瘍血管』から少しずつ出血して来るのが腹水に交じってくるから赤くなってくるんだよね。」

 

妹:「なるほど~そんなことがあるんですね。」

 

W先生:「では今日は2週間分の点滴をやるので血中濃度が上がるから、もしかすると皮疹とか副作用がこれまでより少し強く出る可能性があるから、その点だけご理解ください。

 

なので、顔の皮疹用に今までは『ロコイド』という軟膏を出していたけど、今日は『マイザー」という強めの軟膏を処方しておきます。

 

ただこれはすごく効くけど、注意が必要なので使っても1日1回の使用で1週間以内とかに限定するようにしてください。」

 

妹:「はい、分かりました。」

 

W先生:「今日の血液検査では、少し腫瘍マーカーの値が残念ながらちょっと上がっているんですよ。ただ症状も落ち着いているようだし、個人的な経験ではこれから腫瘍マーカーの値が下がってくる可能性もあるから、今月末にやるCTの結果も含めて様子を見ていきたいと思います。

 

じゃあ、明日から思う存分、旅行を楽しんで来てくださいね、ただし、顔の日焼けに注意することと、無理だけはしないようにね。」

 

妹:「はい、体調を見ながら楽しんできます。ありがとうございました。」

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こうして2週間分の抗ガン剤の点滴を受け、結果的に人生最後の旅行となった宮古島へと妹は旅立つのであった。

 

次回は「人生最後の旅行となる宮古島へ」です。

 

天に召されるまで残り165日