「交換日記」「バスケ」「書道」が
生活の中心だった中学時代、

両親の勧めで
渋々入ることになった学習塾でしたが…

この学習塾の先生の指導スタイルも
私の「書く事」の人生を
助けてくれる一部になった事もまた、
私の人生を語るには
欠かせない要素となりました

部活やお習字の塾だけで
いっぱいいっぱいだった私、
平日、部活が終わった後、
疲れ切った体で通う塾は、

…かなりきつかったなぁ、
今でも思います。

遊びたい真っ盛り、
みんなと遊びに行きたい、
お友達との交換日記も書きたい、
両親が買ってくれた
あの本やこの本も読みたい、

やりたい事はたくさんでしたが、
まずは時間に縛りのある
部活・書道・学習塾を
こなしていかなければ、
と、必死になっていました

と、前置きが長くなりましたが…

私の人生に欠かせない要素となった
『塾のスタイル』を
ちょっと紹介させてくださいね

習う教科は、
国語・数学・社会・英語の4教科。
どの教科もたった1人の先生が
全て教えてくれていました。

そして、テキストではなく、
先生お手製のプリントに沿って習います。

そのプリントが
ビックリするくらいに
「真っ黒」に「隙間なく」
ありとあらゆる事が記載されています。

部分的に問題形式にもなっていて、
空白になっている部分もたくさんあり、
それを先生が説明してくださいます。

と、ここまでは
普通の塾と変わらないじゃん、って
思いますよね。

でも、
ここからが
驚きの指導スタイルになります。

まずは、その説明というのが…

一瞬でも気を抜いたら、
ついていけなくなりそう!
というくらいの
物凄いスピードで説明が始まります。

そのスピードといったら、
プリントを目で追うのも
やっとなくらいです。

その説明を追いかけるように、
生徒たちはどんどん先生の言葉を
プリントの空欄に書き込んで
埋めていくんです。

そして、ここからが恐怖です。

ただ空欄を埋めるだけではありません。
説明をしながら、いきなり先生は
「~が○○したこの時代、ハイ、田中!」と

すると、名指しされた生徒は、
顔を上げることなく、
さらさらペンを走らせながら、
下を向いたまま問いに答えるんです。

答えてる生徒のペンは止まる事はありません。
先生の説明も止まる事はありません。

直後にまた先生は
どんどんどんどん説明をしていく。

そして
説明の合間合間に、
次々に生徒を指名して
どんどん答えを言わせる。

答えに詰まったら
数秒でさえも考える時間は与えず
別の生徒を指名する、
そして、その生徒が即座に回答する…。

全員が、顔を上げることなく
ペンを走らせたまま
次から次へ飛んでくる質問に答えながら
ひたすらプリントを埋めていくんです。

このスピードの速さと言ったら…

そして、
ちょっとでもペンが止まっている生徒がいると
「○○、ペン止まってる!」
「やる気のない奴は来なくていい!」
と、檄が飛んできます。

『耳から入った言葉は漏らさず全部書き取れ!』

『人間は、書く事で脳が刺激されて記憶に残る、
    だから、とにかく書け』

機関銃のようにしゃべる
先生の説明を、
ひたすら書き取り、
たまに飛んでくる指名に集中しながら、
プリントにペンを走らせたまま、
回答を言い、
またすぐ次の説明の
書き取りに集中する…


入塾した頃は、
この恐ろしいくらいのスピードと
みんなの反応の素早さに

ただただ圧倒されまくって

「指名されたらどうしよう」
「こんなところ、怖くてやっていけない…」

と、初日から弱気になっていた私。

あんなに書く事が好きだった私が
入塾して最初の頃は、
書く夢にうなされるほど
恐怖に感じた…塾でした。

ところが、
10回、15回…と通ううちに、
その先生のスピードに
耳が慣れてきたのと同時に、

何度も何度も同じ内容を、
みんなが覚えるまで
ひたすら説明してくれている
先生の教え方のおかげで、

答えを考えて回答に詰まったり、
答えを躊躇することがなくなり

書きながら声を出して答える、
そのリズムが
快感にさえなってきたのです


聞いたことを
限られた時間の中で
書き留めるって 

簡単なようで、
実はとっても難しい事だったんだと、
…社会人になって初めて気付く事になります。

研修や会議の時など、
書きとる事が苦手な人が多い事に驚かされます。

でも、私にとっては、
この中学3年間の、
傍から見たらスパルタとも思えるような
この学習塾での教育のお陰で、

いつでもどんな時でも、
人の話をノートに書きとる事が
全く苦ではなく
自然に出来るようになったのは、
大きな財産だと思っています。

『聞き取る力』
『書き出す力』

これを、中学生という 
吸収力のあるこの時に
徹底的にたたき込まれた事で
「書く事が好き」という、
これまでの私のベースに
更に強力なスキルが身についた事は、

私の人生を語る上では
欠かすことの出来ない一部となりました


幼いころ、ピアノが習いたかった私を
書道の塾に入れた事、
そして、通信教育を続けたかった私を
学習塾に入れた事、


いつも冷静に
私の将来を考えてくれている
両親のあたたかい思いが、
色々な部分で
私の栄養になって
成長してきたんだな…って

大人になった今、感じています。


そして、まだまだ私の学生生活、
予想もしなかったことが
次々に起こります。

続きはまたおねがい