3月は
blogおやすみの、月。



なんねんも書いてきたので
いちど
ふる、ふるるんと
エンジンを切って。



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夜のおむすび






おかあさんの釦。
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昨日の休日は独りアパートにいた。

何をする気も起こらなくて
点いているテレビを
ただ、眺めていた。


最近のテレビは見応えが無い。

伸びたうどんのように
ぐにょぐにょと
ひたすら弛緩している。

笑っても
すぐ、虚しさが
押し寄せてくる。



きょうのわたしは
《ばあや》ではなく

みのり、として

白髪が根元から伸び
カラーが褪せた髪を
鏡に写しては

美容院に行こうかなあと
思いつつ


離婚してから

長年通った店には
足が遠のいてしまったし、

などと
ぐずぐずしている。




銀髪ウィッグをかぶり
膝下ストッキングを履いて
裾に、菫の花を
刺繍した腰エプロンをつけて

須賀家のばあやでいる時の方が
よほど、しゃきしゃきしているなあ


可笑しな気持ちになりながら。





日暮れてから
思いついて
《ばあや》になって
出かけてみた。



行き先は、離婚する前
独りになれる贅沢な時間に
通っていた
《ハーモニカ》という名の
珈琲店。


アンティークのテーブルの上に
ひとつひとつ、形や
光量の違う硝子製のランプが灯る、
重たい木製のドアを
押しあけるようにして入る
しづけさの、店。



明るいグレーの
前開き、膝下丈のワンピースに
手編みのショールで

いくぶん
よたよたとした歩き方の
演技をしながら


窓際の奥の
ちいさなテーブルに座れば

アルバイトの
若い学生さんが

いらっしゃいませ


メニューを持ってくる。





ばあやに成るべく
新調した
黄色がかった鼈甲フレームの
老眼鏡越しに眺める。


いつも
ブレンドを頼んでいたが

『ばあやさんなら
何を飲むかしら?』と


花のような
甘い香りがするという
新入荷の豆を

奮発して
挽いてもらった。



ひとくち、ふたくち
飲めば

どこか優雅な
ゆったりとした気分になり


もう、

右半身が
不自由になった姑と
混み合う市民病院で
愚痴を聞きながら
半日を過ごすことも


時分どきに食事が
用意されていないと
とたん機嫌が悪くなる舅のため
友達と会っていても
切り上げて、帰宅することも


無いのだ、と思い


わたしだけが
解き放たれたのかもしれない



予定日よりすこし早く
赤ん坊が生まれて

てんやわんやで
もう一週間店屋物しか
食べていない、と

お門違いにも
うらめしそうに電話してきた

元夫を思った。







書いている
《ばあや研究》
小暮みのりの場合より



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sioなおしらせ。


5月12日
どようひ
夕方から

八王子Cafe rinさんにて

久しぶりに


ちいさな朗読会
〜時間どろぼう会をサンドイッチして〜

をひらきます。



まだ、詳細は決まっていませんが


気になる方がいらっしゃったら
手帳に

しおさんの会

などと

記しておいていただけたら
うれしいです。




5月6日
にちようび


第26回
文芸フリマ東京に

ひそり、参加します。



東京流通センター
第二展示場

という

東京モノレールに乗っていく
広い会場の片隅で



はちゃめちゃブックスを
こそり、
並べます。



ばあや研究を含む

あたらしい本を
2.3冊
並べられたら

と思っています。




さて
3月の

わたしだけの兎穴へ



すとん、と。




みなさま
良い3月を。




Twitterや
FMリンスには
ときどき参ります。



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春の野菜の、やさしさ。



文字紡ぎ
しお