文字と
絵と
針と糸。
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もじ
と
え
と
はりといと
これは
magical word
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ちびふくろうグラウコーピスくん
ふゆのおかいもの
文 しお
絵 うるま
doll
みゆき
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わたしは
いぜん
生まれ変われるなら
修道院の
古い葡萄の木
に
なりたい
なんて
滑稽なことを
そのひとに言ったことが
あったのです。
或いは
そのむかし、
そうだったのかも
しれない
とも。
そんな
へんてこなことを
言ったのに
そのひとは
笑わずに
しおさんは
そうだったのかもしれないねー
と
平らかに
言って
わたしの
あたまがおかしい
とは
ちっとも
思っていないようでした。
そのひとに
わたしのうちがわには
こんな世界が在るのだと
ある日
そのrouteを
森
示したとき
彼女は
ちっとも
畏れずに
分け入って
針と糸で
きつね男爵 シラガさん
うるまちゃんが
もじから
おこした
え
を
現して
さあ
しおさん
あなたの森は
わたしのと
つながっていましたよ
と
灯る
カンテラを
夜の胸に
掲げてくれたのでした。
もじ
と
え
と
はりといと。
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○
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文字と
絵と
針と糸。
みゆきさんのシラガさん。
わたしには
魔法。
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今夜は
そのひとの森への
routeを
こそりと。
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○
○
はちゃめちゃの町は
夜のまんなかより
すこしはじっこの
銀河草原という名の
寂しい冬の野に棲む
いっぴきの
きつねのふかい眠りから
生まれました。
果てることのない
世のかなしみに
ただ、ひとり
出会ったとき
訪ねる町が
ありますように、と。
みなさま
おやすみなさい。
しお