枯れ枝、
まぶしいひと、
鶏カラ弁当。
これ、なあに?
答えはのちほど・・・・。
◆
長いこと偏愛していた村上春樹氏は
短編小説を、三日くらいで書き上げるという。
三題噺みたいに、いくつかのキーワードを
無責任に並べて、そのまま書き出していく、という。
(そんなことをお書きになっていた、と思う)
わたしは春樹氏の長編より、
その多様な短編群に惹かれてやまないので
それを読んだ時、
ふうむ、おもしろいなあと
彼独特の短編の作りは
そういう工程があったのだなあと
(全部ではないだろうけれど)
すごく興味がある工場の見学をさせてもらったみたいに
わくわくしたことがある。
その頃、わたしは
【小説を書きたい】とは思っていなかった。
書ける、とは思っていなかった。
◆
今、小説を書く技術を学ぶ学校に
週に一度、通っていて
ここ二ヶ月、
毎週、いろいろなテーマを基に
短編を一本仕上げるという課題に
暇さえあれば、取り組んでいるのだけど、
ふと、本当に、ふとね、
「あ、こういう風に書きたいことを書いていくんだ」と
分かってきた・・・・・の。
それは先週の木曜日の朝に
わたしのところに、
「あ、ども、来ました」てな感じで、来て
今、わたしに、書かせてくれている。
先週の木曜日から、わたし、
原稿用紙10枚ほどの短編を
ふたつほど、仕上げることができた。
(例えば、20年前に死んだ
シンガーソングライターの墓参りに
男装女子のカゼくんと医者の息子モトジローが行くハナシ)
何度、読んでも、それは「わたしの物語」で
(すごくへんてこだけど、ネ)
sioは、なんだか、めちゃくちゃ・・・・・嬉しかった。
わたし、ここにいるなあ、と思った。
人生で初めて、味わった幸福な気持ち。
◆
さて、冒頭の三つの
枯れ枝、まぶしいひと、鶏カラ弁当、ですが
これは、今日の午後から書き始めた
課題の短編用の、【三題噺】的キーワード。
自分を中年のおばさんと感じ始めた、
お弁当屋に勤めるオンナのひとと
夕方四時にいつも鶏カラ弁当を注文する
首に手ぬぐいを巻いた、下駄履きの
存外なイケメン(まだこれしか分かりません)が
織りなす、小さな物語。
(この物語のなかに
死んだ誰々にそっくりだった、という文章を入れる。
それが、課題)
イメージは【ほうじ茶】
どうなるかは、ちっとも考えていない。
でも、書ける。それは、分かる。
◆
漫画のようじゃんと笑われそうな設定でも
ありえねー、或いは、あるあるな設定でも、
わたしの物語は紡げる、のだと
今、わたしは確信しながら、
心の引っ越しをした【じゃがいも畑の真ん中】で
楽しくて、楽しくて書いてる。
嬉しくて、嬉しくて、書いてる。
こんな日が訪れるなんて、
思いもしなかったな。
わーい、かみさま、ありがとう。
たくさん精進して、
(好きなオハナシをプロットを追いながら読んだり、
知らないことをどんどん吸収して)
良きものを、生むね。
わたしはナニカを宿した。
大切にそれを育んでいくよ。
毎日はそのためにあるんだ。