枯れ枝、

まぶしいひと、

鶏カラ弁当。


これ、なあに?


答えはのちほど・・・・。





長いこと偏愛していた村上春樹氏は

短編小説を、三日くらいで書き上げるという。


三題噺みたいに、いくつかのキーワードを

無責任に並べて、そのまま書き出していく、という。


(そんなことをお書きになっていた、と思う)



わたしは春樹氏の長編より、

その多様な短編群に惹かれてやまないので


それを読んだ時、


ふうむ、おもしろいなあと


彼独特の短編の作りは

そういう工程があったのだなあと


(全部ではないだろうけれど)


すごく興味がある工場の見学をさせてもらったみたいに

わくわくしたことがある。



その頃、わたしは

【小説を書きたい】とは思っていなかった。


書ける、とは思っていなかった。





今、小説を書く技術を学ぶ学校に

週に一度、通っていて


ここ二ヶ月、


毎週、いろいろなテーマを基に

短編を一本仕上げるという課題に


暇さえあれば、取り組んでいるのだけど、


ふと、本当に、ふとね、


「あ、こういう風に書きたいことを書いていくんだ」と


分かってきた・・・・・の。



それは先週の木曜日の朝に

わたしのところに、


あ、ども、来ました」てな感じで、来て


今、わたしに、書かせてくれている。



先週の木曜日から、わたし、

原稿用紙10枚ほどの短編を

ふたつほど、仕上げることができた。


(例えば、20年前に死んだ

シンガーソングライターの墓参りに

男装女子のカゼくんと医者の息子モトジローが行くハナシ)




何度、読んでも、それは「わたしの物語」で


(すごくへんてこだけど、ネ)


sioは、なんだか、めちゃくちゃ・・・・・嬉しかった。



わたし、ここにいるなあ、と思った。



人生で初めて、味わった幸福な気持ち。






さて、冒頭の三つの


枯れ枝、まぶしいひと、鶏カラ弁当、ですが



これは、今日の午後から書き始めた

課題の短編用の、【三題噺】的キーワード。



自分を中年のおばさんと感じ始めた、

お弁当屋に勤めるオンナのひとと


夕方四時にいつも鶏カラ弁当を注文する

首に手ぬぐいを巻いた、下駄履きの

存外なイケメン(まだこれしか分かりません)が


織りなす、小さな物語。



(この物語のなかに

死んだ誰々にそっくりだった、という文章を入れる。

それが、課題)



イメージは【ほうじ茶】



どうなるかは、ちっとも考えていない。



でも、書ける。それは、分かる。




漫画のようじゃんと笑われそうな設定でも

ありえねー、或いは、あるあるな設定でも、


わたしの物語は紡げる、のだと


今、わたしは確信しながら、



心の引っ越しをした【じゃがいも畑の真ん中】で

楽しくて、楽しくて書いてる。




嬉しくて、嬉しくて、書いてる。





こんな日が訪れるなんて、

思いもしなかったな。




わーい、かみさま、ありがとう。




たくさん精進して、


(好きなオハナシをプロットを追いながら読んだり、

知らないことをどんどん吸収して)


良きものを、生むね。





わたしはナニカを宿した。


大切にそれを育んでいくよ。


毎日はそのためにあるんだ。