長野県では、納棺をしないでお通夜を行う地域と、納棺してからお通夜を行う地域があるそうです
うちは北信流で、納棺をしないでお通夜を行いました
そこで、出棺に先立ち、おばあちゃんを棺に納めました
納棺自体は、葬儀会社の人がしてくれました
その後、おばあちゃんの頭側から順に、喪主(お義父さん)、お義母さん、よちくん(ダンナ)・・・と血縁の近い順に囲むように言われました
そして、生花を一輪ずつ、棺に納めておばあちゃんにお別れを言いました
これを、「別れ花」と言うそうです
それから、おばあちゃんが使っていたタオルや、おばあちゃんが好きだったお菓子も一緒に入れました
この最後の対面を終えて、いよいよ釘打ちの儀式になりました
さっき棺を囲んだときのように、血縁の近い人から順番に釘を打つように言われました
実際、打ったのは全員男性でした
・・・大工仕事だから
それから、棺を運び出すのですが、それにも決まりがあって、座敷から縁側、そして外へ運び出す、という決まりでした
玄関からは、出しちゃいけないものだそうです
でも、今は住宅事情によって、玄関からしか出せないこともあり、あまり厳しくは言っていないとのことでしたが
そしておばあちゃんは、お部屋から縁側を通り、外へ運び出されました
運び出すときも、足を前にして運び出すそうです
お義父さんは位牌をもち、お義母さんは遺影をもち、その後で親戚のおじさん達が棺を運び出し、霊柩車へ向いました
外の霊柩車には、ご近所やらが大勢集まっていて、びっくりしました
お義父さんやお義母さんが、本当に良い人柄だからかな、なんて思いました
本当にたくさんの人が集まっていて、お義父さんが感謝の弁を述べ、霊柩車に乗り込み、霊柩車が出発する際には、その大勢の人が一斉に合掌してくれました
ご近所さん同士の関係が希薄だといわれたり、都会育ちのわたしにはこういう経験はなかったのですが、この光景は、ものすごい感動的なものでした
本当にありがたいことです
霊柩車が出発したあと、わたしたちはマイクロバスに乗り込んで火葬場に向いました
妊娠中だった義妹さんと、あかちゃんがいるもう一人の義妹さんにお留守番を頼みました
というのも、妊婦は火葬場に行くと出産後にトラブルに遭う、という言い伝えみたいなものがあります
でも、わたしの妹は、妊娠中、喪主の妻という立場になってしまい、火葬場へも行きました
というのも、そこの親戚、だれも動かないんですよ
身重の妹が一人であれこれあれこれ働いていて、親戚はだれも手伝わなかったんですよ
妹の夫は喪主で、これまたバタバタしてるし・・・
実の弟たちもまったく手伝わないんですよ
わたしの妹は、もうおなかが大きかったのに・・・
仕方ないので、わたしのママやわたしが妹のサポートして働きました
マジでその親戚にはブチ切れました・・・
それに比べたら、こちらの親戚は、いつもサポートしてくれたり、お手伝いをすぐにかってでてくれるので、本当にわたしは恵まれています
おばあちゃんのおかげですね
せいいっぱい、わたしもがんばります
そうそう、わたしの妹は、無事に出産し(3人目)、妊娠中に火葬場へ行ったからといって、トラブルにはならなかったです
迷信かもしれないですね
で、ふと、気付きました
わたしの実家の親戚などの東京では、お葬式、告別式をしてから火葬だったような・・・
そう、長野では、先に火葬をしてからお葬式をするのだそうです
さて、火葬場へ着くと、すでに棺がかまど前に置かれて、祭壇に花も飾ってありました
位牌と遺影を飾り、おばあちゃんに最後のお別れをしました
そして、おばあちゃんはかまどに入れられて行きました
扉が閉まったら、喪主から順番に全員で焼香しました
このとき、僧侶は同行しなかったので、こういう場合は「収めの式」と呼ぶそうです
火葬中は参列者は別室で待ちます
わたしは事前におやつを大量に用意して持参していました
また、長野ではもともと、お茶受けには漬物、というので、もちろん漬物も持参しています
参列者へのおもてなし、準備にぬかりなく、です
火葬は1時間半くらいかかるのですが、その間、お焼香を絶やしてはいけないそうです
そこで、わたしは時間を見計らって、お焼香を足しに行きました
係りの人が終了の連絡をしてくると、次は「骨上げ(こつあげ)」です
用意されていた竹の箸で、向かい合った二人ひと組で一片の骨を両側から挟んで拾い上げ、木箱の中にいれていきました
これにもびっくり
お骨は骨壷に納めると思っていたんですけど、四角い木箱に直接納めるんです
男性は左手で、女性は右手で箸をもつこと、そして足の骨のほうから行い、木箱に入れていくこと、と言われました
利き腕が右手の男性は苦労していました
そして最後に喪主であるお義父さんがのど仏を収め、頭の骨は係りの人が上手に収めてくれました
それから皆で式を執り行うお寺へと向かいました
お寺は、夏祭りに行った「蓮香寺」です
そして、納骨をしました
ここで木箱の秘密がわかりました
わたしの知っている納骨とは、お墓の下に、骨壷を収めるというものでしたが、ここは違いました
お墓の蓋を開けたら・・・
バラバラバラっと木箱から骨をまくというか、落とすというか・・・直接収めるんです
びっくり
これじゃあの世で、誰が誰の足だか手だか、ケンカにならないのか
とちょっと気になりました・・・
やっぱり、地域が違うといろいろ変わるものですね・・・