従祖伯母。

私の母方の祖母のいとこにあたる樹子おばちゃん。


きょうの告別式は仕事で難しかったけれど、

お通夜でお別れをすることができた。


葬儀は、おばちゃんが大切に育てて繋いでいったものに満ちていて、最後の最後まで美しさにあふれていて、涙が出てしまった。


樹子おばちゃんと私の関係性を簡単に言えば「遠い親戚」だけれど、そんな呼び方ではとてもまとめられないくらい、子どもの頃からとてつもない影響を受けたひと。

表現というもの・芸術というものの、美しさ・尊さを私にはじめに教えてくれたのは、樹子おばちゃんだった。

談笑のなか気持ちがのってくると「ほら、先生と一緒にやってごらんなさい」と、自然に身体が動きだすおばちゃん。

手の先、足の爪先、細部まで動きが美しくてすべてが洗練されていた。

子どもの頃、真似をして一所懸命うごくと、必ず良いところをみつけてたくさんたくさん褒めてくれた。

「踊りがうまくても、あれじゃァ王子様はできないのよ。」
「彼女はね、お姫様ができるの。」

おばちゃんが言っていたのは、ステージに立ったときに滲み出てくる「華」というものだということを、大人になってから理解した。

前後に流れた映像のおばちゃんの踊りは、やさしくて、でもそっと背中を押してくれるような力強さがあって、とにかくかぎりなく美しかった。

「芸術は世界を平和にするものだと思っている」

昔も今も、松山バレエ団が創り出す世界は、おばちゃんの想いそのものだ。


あのね、おばちゃん。
私がこの世界にいて心が砕けそうになったとき、いつも支えにしてたのも、おばちゃんから教えてもらったことの数々なんだよ。

これまでも、きっとこれからも。


おばちゃん、本当にありがとう。
安らかに。