「あなた、優しいね
あなたみたいに優しい人は 見たことがない」
年輩の男性に そう言われるが
その方は ほとんど誰にでも、そう言われる
そして、言った口も乾かないうちに
「怖い顔して にらみつけてくる」
とも言われる(笑)
いつものことなので
取り合わない
そんな取り合わない私が
優しいとは 想わない
「あなた、男がおるんじゃろ
だんなが おるんじゃろ
だんなさんに 言われるじゃろ
『優しい』って」
その方は 特に意味もなく
口にされているだけだと
よくよくよーく 心得ているのだけれど
反射的に
「・・・さて?」
と 考えてしまう
「言いませんよー」
と 答える
・・・うん、言われることはない
夫からは むしろ 怖がられていると想う
口うるさくて
批判的で
いつ責められるか わからない
って 嫌がっていそうだ
・・・うん、そうだろう
優しい妻だと 想われたかった
「こうすれば 優しいでしょ?」って 思いつくことをしていた
「こうすれば 嬉しいでしょ?、ありがたいでしょ?」
これならどうだ、これでもか
・・・って まさに脅迫だ
優しいと 想われたくないわけではないけれど
相手にどう想われるか より
自分がどうしたいか、どうありたいか を
選んで動くようにしている
まだまだ 慣れていないことなので
いい顔する方を
選んでしまいそうになったり
選んでしまうこともあったりだけれど
私が 自分に素直である方を選ぶ
私は あなたに優しくなんかないけれど
優しさのおしつけをしていた私よりは
私は 私に優しい・・・かも