私は 娘の「耳そうじ」が 好きである
集中し
どこから攻めるか 工夫し
挑んだ方向、方法が成功すれば
とても すっきり
あと少し、あともう少しのところで
やぶれたら（破れたら、敗れたら） 口惜しいが
娘に 怪我をさせるわけにはいかない
引き際も 肝心
そんな攻防をさせてくれる、娘の「耳そうじ」
彼女の耳、それも 左耳
右耳は さっぱり攻め甲斐がない
（左耳と違って 攻めるべきものがないのだ）
同じ人の耳だというのに
こうも左右差が あるなんてね
おもしろいものだ
そして
私の もうひとりの子どもである、息子
息子の耳も、さっぱり攻め甲斐がない
息子本人も いつも母に攻められなくて
つまらなそう
そんな 私の趣味に近い、娘の「耳そうじ」だが
ここ一ヶ月
母と娘のびみょーな空気のおかげで
ありつけてないんだよな
親離れ、子離れの波も
葛藤
激闘
自答
を 繰り返す
お互いが 別の人格なんだよな
生涯 この波は
寄せて 返しそうだ