どうしていいのかわからないけれど、相手に弱みを見せたくないような両家のもとで
長男長女の結婚は
新居から
新婚旅行から
結婚式の招待客の数から、引き出物の内容から、費用まで
ありとあらゆるものが ふくれあがった
若い というより、幼いふたりの門出には
あまりにも分不相応なものとなった
そんな状態が居心地いいわけもなく
「あれは やめよう?」
と 結婚相手に持ちかけてみるのだが
そこは 「長男」「長女」の弱さなのか甘さなのか、おたがいに
「だれだれが 自分たちのためにしてくれとることなんじゃんか
ありがたく受け取ろうよ」
「親戚とは うまくやっていかんといけん
よくしてもらっとるってことよ」
と 周りの大人たち、親たちの助言(脅し)を
自分たちが「長男長女」であることの立場とともに
相手を傷つけたくない
相手の機嫌を損ねたくない
結婚をじゃまされたくない
そして何より
自分が責任をとりたくない、力ある大人たちに あまえていたい
と 何かが違うことを感じながら
流されるまま、流された
そんなことをしていたら
いつも 周りの顔色ばかりに気をつかい
くたくたになってしまうことは 目に見えている
だけど
私は その方法しか知らなかった
その方法で乗り越える「先」に 自由や幸せがあるような気がしていたのかもしれないし
ただただ 本当の気持ちを感じることが 怖かったのかもしれない