『いもだち』 | 魂の選ぶ声を聴く ~言葉にならない想いをつなぐ~

魂の選ぶ声を聴く ~言葉にならない想いをつなぐ~

無意識のストレス反応を意識的に変化させて
気づきと自然治癒力を高め 自分や周りのひとの存在に光をみる人生を楽しんでいます

股関節を痛めた、息子くん

珍しくサッカーの練習を休んで、病院に行きたいと言う

いつもの整形外科に行ってみたところ、医院は 真っ暗で人気もなく

なにやら 閉院?のもよう

初診の整骨院へと行くことになった、息子くん

自分のケガの状態に加え、初診の整骨院に行く不安で

軽いパニックに

母が 着いていかないと言うことで、なおさら パニックに

母も 自分のことで精一杯で、息子くんの診察に付き添うのは キャパオーバーで パニックに

母子して パニックになり、険悪に


「いいよ、一回目は着いて行くよ」

「いいよ、一人で行くよ」


はぶてて、キレて

押し問答


‥‥私は 着いて行きたいか? 行きたくないか?

行きたくない


母親としての義務感は 放置しよう

「一人で行く」って言うんだし




不穏な空気のまま、出かけた息子くん

診察や治療に時間もかかっているんだろうが

帰りが なんとなく遅い


「遅いね」

娘ちゃんも 気づいて、そう言う


「そんなもんよ、寄り道もしとるんよ」

母、そんなふうに 答える




「ただいま‥‥」

ぼそっと 息子くんが帰ってくる


とうさんと 診察のもようを話してる


‥‥すぐに かあさんのとこに 来んの?

母、拗ねぎみ


それでも 自分から近づかない、母


ねえちゃんと話してる、息子くん


それでも 自分から近づかない、母



母のところへ、息子くんが やって来る


「はい」


両手で 差し出した、パンの入った袋

「『いもだち』っていう、お芋のパンよ」


‥‥まぁ!?


「わぁ、ありがとう」

「とうさんには 〇〇で、ねえちゃんには〇〇にしたんじゃー」


診察の帰り、家族みんなに パンを買って帰ったらしい

‥‥前日に渡した おこづかい、消えちゃうね



「近くのパン屋さんに 寄ってきたんじゃ?」

「うん」

「パン屋さんは 楽しいよねぇ」



何事もなかったかのように

何事があったことを おおうように

話してる



自分のケガの状態を知って

安心もしたんだろう

初めての先生、初めての場所にも

安心したんだろう




『いもだち』は『ともだち』を 文字ってる

かあさんの好きなお芋のパン


息子くんが 買って帰ってくれた