平成14年4月、大阪出張がありまして、朝はやくから出かけ午後から大阪市内で半日会議して、懇親会と進み、夜は梅田のビジネスホテルで一泊です。翌日も朝から梅田あたりを挨拶回りして、お昼となりました。

ゆっくりとランチでもして帰ろうかと阪急梅田駅あたりをブラブラしていましたら、古書店を見つけました。瞬間的に古書店に入って、ガサガサっとしていましたら、不思議な構図の「明治名所石版画」を見つけました。それが下の「仙台名所」でした。

△石版画 仙台名所 芭蕉の辻・郵便電信局(明治29年刊)

 

今までの「明治名所石版画」のパターンは横型デザインでしたが、これは縦型デザインです。しかも、縦に二枚の図がはめ込まれています。上段が芭蕉の辻、下段が郵便電信局でした。思わず唸ってしまいました。何と言うことでしょう。こんなパターンもあるのかと。

値段を聞いてさらにびっくりしましたが、古書は「一期一会」、一度逃したら二度と目の前には現れません。慌てて近くのATMを探し、お金を下ろし確保しました。また怒られるよ…。

しかし驚きました。「名古屋名所」⇒「大阪名所」⇒「奈良名所」⇒「東京名所」⇒「伊勢名所」と来て、次に出現するのは「京都名所」あたりかなと思っていたところで、いきなり「仙台名所」とは…。

 

ちなみに、仙台城の大手門から東へ伸びる大町通りと城下を南北に貫く奥州街道が交差する地点が「芭蕉の辻」と呼ばれ、仙台城下の中心です。この周辺には大きな商家が軒をつらね、城下一の賑わいを見せていました。辻の四つ角には竜や兎や獅子の飾り瓦をのせた豪商の店が堂々とした姿を誇り、仙台名所として知られていました。

 

△石版画 松島名所 雄島、二子島、五大堂(明治29年刊)

△石版画 塩釜名所 塩釜神社之図(明治29年刊)

 

しかも、「仙台名所」7枚とともに、この他に「松島名所」3枚、「塩釜名所」2枚が、「仙台名所」シリーズものとして付随していました。。また楽しみが増えました。

 

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