当時、こういった名所絵を蒐集するにはどうしたらいいのか解らず、とりあえず、仕事の傍ら手あたり次第という状態で「名古屋名所」を探す活動を開始します。それは東京であり、名古屋でありました。

 

そんな中、平成8年12月に開催されていた「名古屋骨董祭」で次なる出会いがありました。

この骨董市の会場には、茶碗・茶道具のお店や西洋アンティーク系のお店、刀剣関係のお店など、様々なジャンルの骨董屋さんが出店している中、古い生活用具や屏風、茶道具などが並ぶその店の奥の台にポツンと置かれていたのが「大阪名所」でした。

△石版画 大阪名所 中之島公園乃景(明治30年刊)

 

「大阪名所」シリーズも組み物であり、「中之島公園」「大阪造幣局」「天神祭」等による10枚組みでした。ただ今から思うと、ビニール袋に雑多に入れられて売られていましたが、本来はこれら「組み物版画」を入れる専用にデザインされた外袋があった筈ですが、それは失われていました。

ますますこの世界の奥の深さを実感しました。

△石版画 大阪名所 天神祭 舟御渡り (明治30年刊)

 

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