方向性を見失ってしまった。
私は、何をしようと思っていたのか。
オフィスの机の傍で、上司と後輩が盛んに「会社の今後について」を議論しているのが聞こえる。
私は、「自分の業務」に精を出しているフリをする。
しかし、実質は何もしていない。
書類を左右に移動させているだけだ。
「私は、もはや、会社の展望を相談されるような人材でなくなってしまった」
しみじみ、自分の無力さを感じ、惨めになった。
あの時、休職せずに、死にそうな躁鬱スパイラルの中でも、出社し続けるほうが良かったのか。
今更、自分の行動を後悔する。
しかし、あの頃の私は、労働という形を成していなかった。
深夜まで業務をこなし、殆ど眠らず、誰もいないオフィスのパソコンを起動し、コーヒーばかり飲
み、痩せ、笑うことも、人と目を合わすことも煩わしく、時にトイレにこもり呆然と腕を切る…
そんな状態の自分が仕事いう責任を、社会貢献するなど、出来ない。
それがあの時の決断だった。
休職は本意じゃなかった、もちろん。
しかし、休職は、あのぐちゃぐちゃな頭の中で考え抜いた唯一の最善策だと信じたい。
それであっても。
私は、また、私を見失っている。
切ることばかりを考えるし、自分の居場所がなくなりそうな妄想に取り憑かれている。
…馬鹿げている…
分かっている。
けれども、その馬鹿げたことが頭から離れない。
まだ、療養中だ、と先日医師に言われたし、自分も認識しているつもりだが。
…療養中、とかいう自分に腹がたつ。
さっさと、完全復帰して、改善したい業務が沢山ある。
しかし、それは、会社が私には望んでいないこと。
またいつ休むか、というか週3日しか出勤しない私には委ねられないこと。
とにかく、何もできない自分に途方もなく腹がたつ。
イライラして、全身の毛をむしり取ってしまいたいという、狂気に駆られる。
自分は、どうしてこんなに自己愛が強いのか。
おそらく、双極性障害とボーダーライン、自己愛性人格障害の複合型なんだろう…
医師は、はっきりとした診断をするわけではないが、「双極性の裏には人格的な問題がある」
と常に私に言う。
ともかく、今は鬱でもう何もかもは不毛だ。
アルコールを買ってくればよかった。
睡眠薬とアルコールで、しばらく無になりたい。