リアパネルに関しても多機能っぷりは徹底しています。
まずエフェクトループ。
シリーズかパラレルかのスイッチ、そしてセンドレベルのツマミがあります。
シリーズ(直列)だとセンドリターンに何か繋がないと音が出ません。
パラレルだとエフェクト音がミックスされる割合をツマミで可変できます。
このパラレル設定は便利で、マスターボリューム的に使用することができます。
それからハーフスイッチでパワー管の中二本抜き状態にできます。
実際にパネルを外して真空管を抜かずに済むのは便利ですね。
そしてNew/Oldとなっているスイッチは五極管を三極管動作させるものです。
「パワーを1/2にして、Oldを選び、インピーダンスをキャビの半分に落とす」
というのがマニュアルに書いてあるパワーダウンの設定です。
あと忘れちゃいけないのがフットスイッチです。
各chが選べるのはもちろん、ブーストとループのオン・オフもあります。
そしてスタンバイスイッチまで用意されているのはとても親切です。
最近人気のUbershallとの比較が気になる人も多いかと思います。
歪みの深さはUbershallの方が上ですね。
EcstasyはかなりMarshall寄りの味付けだと思います。
クリーンの良さではEcstasyの方が上です。
ハードロックならEcstasy、スラッシュやインダストリアル系ならUbershallかな。
うちのEcstasyはタイトルのとおりCustomという日本向けの仕様です。
ch3のリードchをより太く、深く歪むようにModしてあるものです。
それ以外はノーマルの101Bと共通ですが、実はツマミの効き方も違います。
ボリュームのカーブが後半になるにつれて急になるタイプになっています。
なので小音量で使うのには都合の良い仕様だと言えます。
実際の使いこなしですが、選択肢が豊富なのが強みでも弱みでもあります。
アンプのみでも十分に歪むので、シールド一本でもかなり戦えます。
クリーンchやPlexi Modeに激歪みペダルというのもアリです。
しかし欲を言えばよくできたブースターが一つあるといいですね。
アンプのトーンコントロールがMarshallのツマミと帯域が少し違います。
Centaurだとアンプでは選べない帯域を持ち上げられて格段に良くなります。
どのchにおいても、です。
各種スイッチを駆使してブルース向きなセッティングも可能です。
しかしBognerの特長はやはりハイゲインサウンドのエネルギー感だと思います。
特に全体的にノイズが少ないのを活かして、音を作るのが正解でしょう。
セッティングはすべてハイゲイン方向で当然フルパワーで稼動します。
具体的にはマスターを上げめにしてゲインを下げ、パワー管に仕事をさせます。
Marshall1959と比べるとはるかに制御しやすいまとまった出音です。
悪く言えば、歪みは深いですが決して暴れない大人しい音とも言えます。
これをもう少し前に出る音になるように自分はエンハンサーを利用しています。
マイクでRecした後はほぼ必ずBBEのModel401を通して処理しています。
あとBognerのアンプ全般に言えるのですが、キャビ選びも重要です。
中域の密度があるのでハイの抜けの良いVintage30がやはり相性がいいです。
Electro Voiceなどはより重心が下がり、少しもたつく印象になります。
高価ですがBogner純正のキャビはとても作りがよく音もいいです。
低音弦の解像度の高さは現行のMarshallキャビとは一味違いました。
Ecstasyは発売されてから結構時間の経っているモデルです。
もし手頃な中古を店頭で見かけたらぜひ試奏してみてください。
その時はフルパワーでのリードchと、Plexi Modeを試すのをどうか忘れずに。
