新卒を好む日本企業
昨日の読売新聞にこんな記事が掲載されていました。
「就職留年 7万9000人 大卒予定7人に1人」
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100705-OYT1T01273.htm
この記事によると、就職先が決まらないまま大学を卒業した学生が3万強。就職が決まらないため大学に残ることを決めた学生が7万9千人。合わせて11万人が何らかの理由で、職を得られなかったという話。
なぜこれほど就職留年者が増えているのか。
一つの大きな理由として、
日本の企業が、「新卒」を好んで採用する傾向があることが挙げられます。
「手垢のついていない新人のほうがわが社の戦力として鍛え上げやすい」
ということでしょう。
大学を卒業してしまては「新卒」という特権が剥奪されてしまい、第二新卒
扱い、もしくは大卒後「働きもせず、ぷらぷらフリーターをしていました」
という見方をされます。
日本では未だこの「ぷらぷらしていました」に対する見方は厳しいので、
例え就職活動のために大学に残らず頑張ってきました、といっても
説得力が弱いのです。
外資系企業の考えかたと大きく違うところです。
外資系はむしろ、電話の取り方も知らないようなピカピカの一年生は
敬遠する傾向にあります。
この問題、欧米社会の「会社」「キャリア」「人生観」の考え方と、日本人の考え方と根っこのところで大きく関わってきそうな深い問題かと思います。
本日もお読みくださいましてありがとうございました。
採用者が知りたい5つの鍵
履歴書には必ず、自己PRと志望動機は盛り込まれています。もちろん、自己PRしてください、とか志望動機は?という直接的な問われ方もありますが、変化球の聞き方もあります。例えば、自己PRに近い問い方で、
「あなたの強みは何ですか」
「あなたが大学時代にもっとも力を入れたこと」
「あなたを●●に例えると・・・?」
こういう設問をされると、本来企業側が知りたいと思っていることが何なのか、という本質を忘れて、つい、お友達とのお喋りのような、オチもアピールもないような文章を書く人がいます。
会社が知りたいのは、あなたが①何者か②どんな人か③どう考える人か④どう行動する人か⑤その会社で何がやりたいのかにしか興味がありません。
よって、全ての項目はどんな聞き方をされたとしても、上記5つに収斂されます。もしどれにも当てはまらないような質問であれば、それは単なる雑談と受け止めて良いといえます。
ですから、設問項目は全て「どれに当てはまるかな」と考えて、適切に回答していく姿勢がまず必要です。
本日もお読みくださいまして有難うございました。
履歴書で重要なこと
履歴書を書く時、皆さんは一番何が重要だと思って書きますか?
書いてある内容?美男美女に写してくれる写真?字の読みやすさ?
どれも確かに重要です。
私の経験でお伝えすると「パッとみて熱意が伝わるか」-。
これに尽きると思います。何故なら、数学や物理の試験のように、正しい答えを導くために理屈を順序だてて考えるペーパー試験ではなく、「感情」を持った人がその時の気分で判断するからです。
おいおい、ちょっと待ってくれよ。気分で判断するのかよ。
学生の皆さんは、そう思われると思います。当然です。皆さん必死ですから。
しかし、民間の一私企業が、自分たちの判断基準で社員を採る、採らないを判断するのは至極当然のことなのです。
気分で判断する、というとやや語弊がある表現かもしれません。しかし、履歴書に書いてあることは皆さんが一生懸命、その時点での思いを書いている。だから表現はともかく、間違いった答えは誰一人書いていないはずです。
ならば、最後は書いてある内容の善し悪しを採点者本人の気持ちに沿って判断するしかありません。
誤解されないように書いておきますが、一定規模の会社になると、履歴書・作文(小論文)は個別の採点者の偏りをなくすため、一人で判断せず、複数でクロスチェックしています。そういう意味ではある種公平に出来ています。
明日は、さらに細かく「熱意の伝わる履歴書」をみていきます。
起承転結よりは起承結
文章を構成する、というと非常に有名な典型例があります。
ご存知の通り「起承転結」です。
「起」で、何について書くかということを示し、
「承」その話題を受けて、話に広がりを持たせる。
「転」で、意外な方向へ話を持っていく。
「結」結びで、書き手の主張へと発展していく。
以下は有名なたとえです。
(起)三条木屋町 糸屋の娘
(承)姉は十八 妹は十五
(転)諸国大名は 弓矢で殺す
(結)糸屋の娘は 目で殺す
しかし、就職試験などで課される履歴書の項目や、作文などではもともと文字数が
少なく、この「起承転結」パターンに固執していては、なかなか筆が進まないのも事実です。
起承転結ではなく、「起承結」でも問題ありません。
例えば・・・(続きは明日のブログで)
本日もお読みくださいましてありがとうございました。
文章を書くうえで大事な3つのこと
文章を書きなさいと言われると、得意な人はスラスラ書き始めます。ところがそうでない人は、与えられたテーマをああでもない、こうでもないと捏ね繰り回します。テーマについて自分の知っていることを総動員して何かを書きあげようとしています。
ん~だから書けない。書けないのは文才が無いからだ。
このまま「文章を書く」ことが嫌いになるか、慌てて技術を獲得しようとハウツー本に走る。
典型的な例が書店にならぶ、企画書、ビジネス文書などの書き方本に走ることです。買って「型」を参考にするのは否定しませんが、そこから抜け出せない人を見かけます。文章を書くこと=技術だけと勘違いしている方です。
文章をは確かに「技術」も大切ですが、その前に「何を書くか」ということが大切です。そして、それをどう構成するか。この3点がセットになって、初めてまとまった文章が書けるようになってきます。
本日も最後までお読みくださいましてありがとうございました。
作文と小論文の違い
作文添削指導の仕事をしていると、よく聞かれることの一つに「作文と小論文ってどう違うのですか?」という質問があります。
同じ文章を書くのだから、同じだろう。そもそも何が違うのか、そんなストレートな質問です。
私はこう答えることにしています。
「作文の定義は広いので作文でない小論文は無いのです。ただし、こと就職活動で課される“作文”とは『与えられたテーマを使って、読み手にあなた自身の魅力を伝える文章』。小論文とは『与えられたテーマに対して、自分の体験を通して自分の考えを読み手に伝える文章』です」。
このことを理解せずに、「あなたはどんな人ですか、自由に述べてください」と聞かれると、親しい友人との他愛のない会話のような文章になります。
就職試験で課される「作文」と「小論文」は、そもそも課す目的が違うのだということ
強く認識しておく必要があります。
本日も最後までお読みいただきまして、有難うございました。
どこで文章は鍛えられるか
サッカーワールドカップも、日本代表の予想外の躍進で盛り上がってきていますね。まぁ、いつものことですが、マスコミの手のひら返し報道には辟易とします。
とはいえ、国民も期待している人はいなかったでしょう。
ワールドカップ前の国際Aマッチ4連敗ですから、誰も期待しないのは当然といえば当然かも知れません。国際ランキングというものが、いかに当てにならないかをも証明した大会になりました。フランスやイタリアが予選敗退なぞ、誰も予想していない。まさに「魔物が棲んでいた」というに相応しい大会です。
さて、本日のお題は「どこで文章は鍛えられるか」です。
書店などで立ち読みすると、文章の書き方に関する本はたくさん並んでいます。古くは川端康成や三島由紀夫らの「文章読本」のような文章全体に関する考え方本に始まり、最近はビジネス文書の書き方、文例集から、披露宴で新妻が両親に書く「感謝の手紙」の書き方、果てはブログ、ツイッタ―などの書き方まで。私も一通り、目を通しています。気に入ったものは勿論、購入しました。
振り返って、こういった類の本は文章を書く上で参考になったか。なりました確かに。しかし、鍛えられたのはやはり実践の場だったと思います。
どこで実践したか―
私の場合、遠く離れた友人と手書きの「文通」をしていました。20年くらい前の話です。携帯電話が今ほど一般的ではなく、当然PCも、E-mailも普及していませんでした。近況を便せん2~3枚に綴っては切手を貼り、ポストに投函する。そんなことを2~3年続けていました。一回あたり軽く2千字くらいは常に書いていましたね。
現代でもそんな子どもたちは存在するのでしょうか?一度聞いてみたいですね。
いないでしょうね。![]()
自分が書いた文章が相手に読まれて、一週間後に返ってくる。中高生ぐらいですと本当にこれがドキドキするんです。
自分の文体は独特のもので、人に読んで貰おうという意識で綴っています。文章作成で大切なのはこの「伝えよう」という意識付けそのものにあるような気がします。
携帯やツイッタ―も結構ですが、ある程度の長さが書ける、手書きの手紙、あるいはパソコンのメールで友人や恋人と交換してみてはいかがでしょうか。
本日も最後までお読みくださいまして、有難うございました。
事実で、相手に「伝えたいこと」を感じ取ってもらう
今から書き記す文章は、「このように伝えたい」というある意図をもって、書いてみました。先日書いた「ストーリー作文」を題材に書いています。
そのために補足で肉付けをしています。
私はあなたがこの文章を読み終えた時、主人公である私にどんなイメージを抱いて欲しいと思って書いたか、予測しながら読み進めてください。
部屋には朝陽が射し込んでいる。夏はこの朝陽が目覚まし時計代わりだ。朝5時30分に、起床。6時半まで寝室のとなりにある書斎で本を読んだり、ジャズを聴きながら過ごす。
そうこうしている間に、もうすぐ2歳になる娘が起きてきた。
二階から娘と手を繋いで降りる。ようやく十まで自分で数えられるようになった娘は、嬉しくてたまらないのだろう。一段一段数を一緒に数えながら降りる。
リビングには絵本専用のの本棚がある。絵本が大好きな娘から「ちびゴリラのちびちび」を読んでとせがまれる。
妻が起きてきた。
妻が朝食の支度をしている間に、私は娘のオムツを取り替え、ベビーチェアに座らせる。エプロンを掛けてやると、「いっただっきまーす」と家中響き渡るほどの声をあげる。
朝刊をポストに取りに行く。仕事柄、必ず朝食を摂りながら、新聞に目を通す。
慌しく歯を磨き、ワイシャツに着替える。
妻が作ってくれた昼食のおにぎりを持つと、ふたりは送り出してくれる。
あの笑顔を見ると、雨降りの朝も、数字の会議が続く一日も自然と足取りが軽くなる。
いかがでしょうか?どんな人物だと思いましたが?
「家族思いの良いお父さん」、「子どもの笑顔が活力源のお父さん」
表現は多少違えど、だいたいそんな所ではないでしょうか。
この文章に「家族思いの良いお父さん」、「子どもの笑顔が活力源のお父さん」
といったような表現は一切使っていません。
気持ちや伝えたいことをストレートに書かなくても、断片的な事実をリアルに伝えることで、相手方に伝えることが可能なのです。感じ取ってもらうことが可能です。
それを「私は家族思いです」「子どもの笑顔が活力源です」と書いた瞬間から、伝わりにくくなるのです。
本日も最後までお読みくださいましてありがとうございました。
言いたいことは最後にもってくる
今日は「結果を最後に書く」ということについて、私なりに書いてみます。
本のジャンルには、ビジネス書、歴史書、新書、ノンフィクション、小説とさまざまあります。その中でも「小説」は、永遠不滅の鉄板ジャンルです。
なぜ、小説がこれほど多くの人の心を惹きつけてやまないのでしょうか。
それは、最後まで読まないと分らない、物語の展開、プロセスにあります。
みんな手にとって読んでいる時は、「この先に何が起きるのだろう」と予測しながら読んでいます。
例えば、宮部みゆきの代表作「理由」。
荒川区の高級マンションで一家4人が惨殺された。犯人は当初●●かと思われたが、結局××でした。
一言で書けば、たったこれだけのことを、一見無関係な人物を複数登場させたり、ドキュメンタリータッチで描くことによって、数百ページもの小説に成るわけです。
つまり、先日から紹介しているように文章作成の真髄ともいえる、「文章にストーリー性を持たせて書く」ということ。
ストーリーですから、結果、結論、言いたいことは最後に持ってくる。
求められる文章の尺によって、ストーリーの長さ、書き方を変えるだけ。その巧拙はともかく、それほど難しいことではありません。
文章が苦手な人の特徴は、すぐに結果結論を書いてしまうことです。
「朝五時半に目が覚めた。ご飯を食べ、会社に出社した」。
こう書いてしまえば、すぐ書き終わりますが、事実を書き出し、繋げる。
明日は、その実例を示していきます。
最後までお読みくださいましてありがとうございました。
時系列に出来ごとを書いてみる
昨日紹介した「コミュニケーション力を高める文章の技術」(芦永奈雄著)フォレスト出版 を参考に私も「ストーリー作文」を書いてみます。
今日は①時系列に出来ごとを書いてみる、です。
<普通の一日>
朝5時30分に起き、ごはんを食べました。電車に乗って会社に行きました。
文章を書くことが苦手なひとは、書くべきことをこのように省略します。
起きてから会社に着くまでの4時間がたったの一行で終わってしまいます。
ストーリー作文の手法に従って書くと以下のようになります。
<普通の一日>
●朝5時30分に、起床。
↓
●6時半まで書斎で過ごす
↓
●もうすぐ2歳になる娘が起きてきた
↓
●寝室のある二階から娘と手を繋いで降りる
↓
●一段一段数を一緒に数えながら降りる
↓
●本が大好きな娘から「ちびゴリラのちびちび」を読んでとせがまれる
↓
●妻が起きてくる
↓
●妻が朝食の支度をしている間に、オムツを取り替える
↓
●娘をベビーチェアに座らせ、エプロンを掛けてやる
↓
●朝刊をポストに取りに行く
↓
●朝食を摂りながら、新聞に目を通す
↓
●歯を磨き、着替える
↓
●妻が作ってくれた昼食のおにぎりを持って家を出る
↓
●駅までの道のり約10分
↓
●今日は雨が降っていて駅が混雑している
↓
●運動不足解消のために階段でプラットホームまで上がろう
↓
●電車が来た
↓
●30分吊革につかまりながら、昨日の読み始めた本の続きを読む
↓
●会社のある○○駅に到着
↓
●改札を抜けて地下道を5分
↓
●ようやく会社に到着
いかがでしたか?これでもかなり端折ました。
こんな風に書けば、幾らでも文章は書けます。あなたの朝と私の朝は同じでしたか?違う人間同士、同じであるはずはありません。ディティールを見ていけば、次の日の朝は、同じに見えて全く違う朝を過ごしていることに気づきます。
しかも、どうでしょう。
最初に書いた一行の
「朝5時30分に起き、ごはんを食べました。電車に乗って会社に行きました。」
よりも、書き手の個性が滲み出ていると思いませんか?
同じ会社員が読むと「朝早く起きて偉いな」と思うかもしれませんし、
子供を持つ主婦が読むと「子供思いの良いお父さんね・・・」と感じるかもしれません。読み手が誰なのか、そして何を伝えたいのかを意識することが大事です。限られた紙幅ですから、履歴書には緩急をつけることも大事ですが、これは少し上級テクニックになりますので、今は考えなくても良いでしょう。
明日は、「結論を最後に書く」についてお話してみたいと思います。
最後までお読みいただいて、感謝いたします。