料理研究家のリュウジとか不倫で有名になった鳥羽周作シェフなどいろんな人がユーチューブの料理動画で作ってるワンパンパスタが最近流行っているみたいだが、自分も文庫のマンマパスタにいた時に同じことを試していた時期があった。
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カルボナーラやボロネーゼのような重めのソースはさらに濃度が増すので相性が良く、ペペロンチーノなどオイルベースのシンプルな塩味のパスタであっても溶け出たセモリナ粉の成分がソースの乳化作用を促すので、とろみのあるソースが好きな人にはワンパンパスタは打ってつけの作り方だと思う。
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又、料理の仕上がりにおいても、ワンパンパスタは麺にソースの塩分や味が乗るので一体感で言えばこの上ないやり方だと思うが、 ペスカトーレのように魚介の旨味を凝縮してソースに移して食べさせたいパスタの場合は、ワンパンパスタの多すぎる水分と溶けた粉の成分によってソースの味がぼやけてしまう。
ボンゴレやしらす、鶏肉ときのこなどのオイルベースのパスタは、少し固めに茹で上げた状態でソースと合わせて、ソテーパンの中で加熱しながら菜箸で回してパスタのザラつきを取ってあげるようなイメージで仕上げるとつるっとした食感のパスタになる。
何でもかんでもワンパンで仕上げればいいというものではない。
何にでもマヨネーズをかけて食べるのとある意味では同じだと思う。
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そこでワンパンパスタのいいとこ取りで、セモリナ粉の溶け出たパスタの茹で汁を育てていくやり方を発明した。
長くなるので説明は省いて注意点だけ記しておく。
①ソースを作る菜箸と同じ菜箸で麺を混ぜると茹で汁が濁るし異物混入に繋がるので、パスタを混ぜる菜箸は別の物を使う。
②パスタを茹でたお湯を常温で一晩置いておくと室温が24度を越える場合は菌が繁殖して腐るので、氷水に当てるかしっかりと冷まして冷蔵庫に入れて帰る。
③煮詰まった茹で汁はザルで漉してから冷蔵庫にしまい、翌日使う時は再加熱して使用すること。
パスタを仕上げる時に濃度と乳化を促進する為のつなぎとして使う。
④ウナギのタレのように延々と継ぎ足していくことはせず、最後の茹で汁は水分調整用のブロードとして使い、3日目以降は新しい塩水でパスタを茹でて再度セモリナ粉のでんぷん成分が溶け出た茹で汁を育てていく。
⑤茹で汁をブロードとして使用する時は必ず味見をして状態を確認して、パスタソースに合わせた後は加熱沸騰をさせた後に乳化させること。
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一言でいえばパスタの粉が溶け出た重めの茹で汁を常備しておくだけなのだが、まだパスタを茹でていない状態の普通の塩水と何食か茹でた後のセモリナ粉の成分がプラスされた茹で汁とでは、パスタソースのつなぎとして使用した場合に完成した料理に差が生じてしまい商品が均一化が図れないので、パスタを茹でる用のメインのボイル鍋とは別にブロードとして育てた茹で汁を常備しておくことで、飲食店においても常にワンパンパスタのような仕上がりのスパゲッティを提供することが可能になる。