期待 | 毎日イタリアンとみおか食堂LITAのブログ

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リタのアメブロだZ( -∀・)

木曜の夜は一人もお客さんが来なかったので春メニューの準備を進めていたのだが、それが終わってもまだ閉店まで時間があったので、こないだ買った東京カレンダーを読んでいたら、横浜特集の中にゴッフォというイタリア料理店が載っていた。
この記事を見るまでゴッフォの存在は知らなかったのだが、連日予約が取れないほどの人気店らしく、40歳の店主と若いスタッフで切り盛りされているそうだ。
気になったのでスマートフォンで検索してみたら人気店なのにグーグルビジネスの評価の数字が異常に低く、口コミを見たら散々な言われようで、クレームの内容は主にスタッフの対応が悪いとかドリンクの注文を強要されるなどありがちなものだった。

口コミの中で20時だよ!というフレーズが度々出てきたので、何のことかと思いゴッフォのインスタグラムを見てみたら、予約が殺到しすぎて近辺の人が気軽に来れる状態じゃなくなってしまったので、ディナーの予約帯を17時から20時の部(土日は15時から)とその後とで分けて、20時以降の予約は当日の19時から電話で受け付けるというルールらしい。
これによって当日でもダメ元で電話して予約できるケースが生まれるのでよく考えられたルールだと思うが、口コミで20時だよ!の予約を勝ち取って伺った時はよかったのに、前半の部に予約して行ったら注文を急かされるだの、追加の料理やデザートを頼んだら閉店時間に間に合わないと断られたみたいな内容の悪評を書かれていたので、少ない人数で毎日2回転の営業をしてるんだから客の方が察してやれよと思った。
予約しないで行ったら怪訝な顔をされたなんて言ってる奴もいたが、そんなのは客側が世間知らずとしか言いようがない。
人気が出すぎて色々とキャパオーバーになってしまうのかなと感じた。

料理が冷めていたなど言い掛かりのクレームも目にしたが概ね接客はひどいけど料理は本当に美味しいという意見だったので、既製品で固めずに拘った料理を出しているように自分には見える。
常連客との扱いの違いに対する不満の声もあった。
初めて訪れる一見客全員に愛想良く対応できればそれに越したことはないが、逆に写真を撮ってSNSに上げたいだけの連中にそこまで誠心誠意真心込めて向き合う必要があるのかなとも思う。

ちょっと気に入らないことがあったら、勝手に人に知らしめるように店の悪口を書くような卑怯者に。

言い方は悪いが、店側にとって一見客の落とす金なんて単なる養分でしかないのだ。
いい対応をしてほしかったら、何度も足を運んで自分が常連客になるしかない。
そうすれば養分ではなく一人の人間として見てくれるようになる。

オーナーシェフの高木祐介さんという方はトラットリアフランコで修行されていたそうで、自分が度々フランコに足を運んでいた時期と重なる。
クローズキッチンで厨房の様子は見えない作りではあったが、長身の方が調理場にいた記憶があったので、それが高木さんだったのかと思う。
ゴッフォがオープンしたのは2016年なので自分の店より2年後。
料理の技術は元より扱っている食材やナチュラルワインなど、自分とは比べものにならないレベルの凄腕のシェフが経営するお店だが、ワインの生産者やインポーターを招いたメーカーズディナーや肉の日限定のメニュー、シェフの賄いカレーや年に一度の居酒屋ゴッフォなど、オープン以来様々な試みをしている。

2019年の台風直撃の日にはスタッフ全員休ませてシェフ一人で店を開けたり、コロナ禍の時短営業の時にはランチの前にモーニング営業もされていたらしい。
一昨年はなんとあのフジロックにも出店されたそうだ。
8年の歴史の中でスタッフの顔ぶれも変わっているみたいだが、正社員にはちゃんと月8日の公休と社会保険に加入させていて、年に一回はイタリア研修にも行っているようなので、それを可能にするだけの利益を上げていることがすごい。
現在はディナーのみの営業だが、4月からは日曜日限定でランチ営業を再開するとのことだ。

人気にあぐらをかいて現状に満足せず、いろんなことにチャレンジする姿勢はとても好感が持てる。
あくまでも自分の感覚ではあるが、傍目から見てやる必要のないことでも何か意味を見出してやってみようと行動するのが若者の特権で、やる必要のないことは一切やらないと自分が決めた瞬間につまらない年寄りになっていく。
同じことを続けるだけの日々を送るか、新しいことに挑戦して日常に変化を付けていくか。
飲食店に限らず、人間には二通りの生き方があると思う。

そんな感じでゴッフォのインスタグラムの投稿を遡って見ていたら、夜中の3時を過ぎてしまった。
シェフの個人ページの投稿も見てみたが、いろんな意味で突き抜けていて、どの世界でも注目される人間ってこんなだよなと思った。
今発売されている専門料理にも高木シェフの記事が載っているそうなので、時間があるときに本屋で探してみようと思う。
実際にお店に足を運んでもいないのにああだこうだ言うのは違うけれど、自分の店と定休日が被っているし、行ってみた所で今さら何も変わらないのでスマホで眺めるだけにしておく。
自分とは別世界の人間のような感覚がある。

ただ、一応同じ横浜の端席の同業者として令和の時代のイタリア料理を一歩前に進めてくれたら有り難い。
高木シェフとゴッフォにはそんな期待がある。

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20240523
ゴッフォの20時からのディナーに伺わせて頂きました。



料理もワインも美味しくて、親切に接客をして頂いて最高の一時を過ごせました。
ごちそうさまでした(´・∀・`)