思い出 | 毎日イタリアンとみおか食堂LITAのブログ

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リタのアメブロだZ( -∀・)

今から25年ぐらい前。
横浜ジムの近くに部屋を借りて一人暮らしをしていた。
昼間は肉体労働をしながらジムに通っていて、夜の練習が終わると週に2、3回はこの場所にあった中華屋で晩飯を食べていた。
何代か違う店に変わっているが、向かいのファミマから道路を挟んで見える赤い看板の店だった。

練習が終わって22時を過ぎても開いてる店がそこしかなかった記憶がある。
まだ携帯にカメラも付いてなかった時代なので、店に着くと自分の料理ができるまでぼーっとテレビを見ていた。
その店の閉店時間など気にしたことはなかったように思う。
自分のことしか考えてなかったのに、自分のことすら上手くいかなくていつも苛ついていた。
格闘技の良し悪しがすべてだった。

今では店の名前も思い出せないのだが、中国人の男性二人で切り盛りしていて、行くと毎回同じ野菜炒めのような定食を注文していた。
理由は野菜が沢山食べれて、安くてボリュームがあったから。
味など二の次で、自分にとって食事は身体を作るための栄養摂取の手段に過ぎなかった。
遅い時間にも関わらず、自分みたいなバカの為に一生懸命料理を作って運んでくれていたのに本当に失礼なことをした。

いつも疲れてて無愛想な客だったはずだけど、さすがに週に何度も来るもんだから中国人の店員さんも自分のことは覚えてくれていて、何かサービスしてくれたこともあった。
一度だけジムの誰かを連れていったことがあったかな。
実家に戻るタイミングで足が遠のいてしまい、以来一度も足を運ぶことはなかったが、今頃になってふと思い出した。

当時の自分が将来コックになって店を持つことになるとは想像もしないだろう。
飲食店の仕事は苦労が絶えないけれど、あの店の中国人の店員さんも同じように大変だったと思う。
もしあの頃に戻れるなら「いつも美味しい野菜炒めを作ってくれてありがとうございました」とお礼を言いたい。
心残りがある。

あまり昔話はしたくないけど、原点に帰ることも時には必要なのかな。
この年まで生きてきたから、それなりのドラマがある。
過去にすがるような情けない男にはなりたくないけど、時々は人が自分にしてくれたことに感謝したい。
誰にだってそんな思い出があると思う。