女性店員は二人にコーヒーを出すと、とても年相応に見えない二人の雰囲気を察してか、カウンターに戻っていった。
「まあまあの味ね」
灰原はコーヒーを一口飲むと、そんな感想をもらした。一方のコナンは、そんな灰原の様子を伺いながら外を眺めていた。
「工藤君。もう一回聞くわね。」
「……」
両手に持ったコーヒーカップを置きながら告げる灰原に対し、相変わらず外を見ながら無言で応えるコナン。
「本当に工藤新一に…元の体には戻らないの?」
「……そのつもりでいる」
コナンは僅かな揺れを見せながらそう答える。
「それは、私が元の、宮野志保として生きると言っても?」
「……おめえが戻るのなら俺も工藤新一に戻る。」
さっきよりも少し大きい動揺が伺えたコナン。その様子に小さく笑みを見せた灰原は、すぐに真剣な顔に戻って話を続けた。
「工藤君。私はあなたの事は嫌いじゃないわ……好きか嫌いかで言うときっと好きなんだと思う。」
コナン同様に外を眺める灰原。そこで少しの沈黙が二人の間を流れた。
「私は……灰原哀としてであっても宮野志保としてであっても罪を償いながら生きていくわ。」
「灰原……」
「あなたにとって私と歩く道はきっと明るいものじゃないわ。私はどちらかと言うと影に生きる事になる……彼女を、蘭さんを光とするならね…」
コナンはそこで机をバンッと叩きながら立ち上がっていた。少し怒った表情だったコナンは少しして悲しそうな顔をしてまた椅子に座り、おもむろに口を開いた。
「灰原……誰に対する罪を償うんだ。誰に許されたいんだ。」
「……私はきっと、蘭さんとあなたに許されたいのよ。そして……」
悲しそうな顔をコナンに向けるとジッとコナンの顔を見つめた。
「私はお姉ちゃんと、私自身に許されたいのよ。」
何か声をかけようと口を開きかけたコナンは、灰原の言葉に対する言葉が出てこず、口をつぐんで少しうつむいた。悔しさと若干の悲しさをその顔に浮かべながら。
「私は私自身を許すことはないわ……工藤新一を殺し、宮野志保を殺し、宮野明美を殺した私自身を……」
灰原の言葉が途切れると、二人の間に長い沈黙が流れた。お互いに顔を合わせず、ただ後に続く言葉を探しながら。そして、5分程度の時間がたった位で小さく口を開いた。
「……話はこれでおしまい。あなたももう一度元に戻ることを考えていて。元に戻ってくれるのが私の罪滅ぼしの一つになるから……」
コーヒー代を出しながら立ち上がる灰原。その灰原を見るでもなく、コナンは口を開いた。
「……待てよ」
コナンにしては自信が伺えない、弱々しい声で灰原に制止を促した。しばらくコナンをジッと見ていた灰原はまた静かに腰を下ろした。
「……おめえは誰も殺してなんかいない。おめえは被害者でしかない……」
やっと搾り出した言葉は悲しさを多分に含み、自身にも言い聞かせるような言葉だった。
「まあまあの味ね」
灰原はコーヒーを一口飲むと、そんな感想をもらした。一方のコナンは、そんな灰原の様子を伺いながら外を眺めていた。
「工藤君。もう一回聞くわね。」
「……」
両手に持ったコーヒーカップを置きながら告げる灰原に対し、相変わらず外を見ながら無言で応えるコナン。
「本当に工藤新一に…元の体には戻らないの?」
「……そのつもりでいる」
コナンは僅かな揺れを見せながらそう答える。
「それは、私が元の、宮野志保として生きると言っても?」
「……おめえが戻るのなら俺も工藤新一に戻る。」
さっきよりも少し大きい動揺が伺えたコナン。その様子に小さく笑みを見せた灰原は、すぐに真剣な顔に戻って話を続けた。
「工藤君。私はあなたの事は嫌いじゃないわ……好きか嫌いかで言うときっと好きなんだと思う。」
コナン同様に外を眺める灰原。そこで少しの沈黙が二人の間を流れた。
「私は……灰原哀としてであっても宮野志保としてであっても罪を償いながら生きていくわ。」
「灰原……」
「あなたにとって私と歩く道はきっと明るいものじゃないわ。私はどちらかと言うと影に生きる事になる……彼女を、蘭さんを光とするならね…」
コナンはそこで机をバンッと叩きながら立ち上がっていた。少し怒った表情だったコナンは少しして悲しそうな顔をしてまた椅子に座り、おもむろに口を開いた。
「灰原……誰に対する罪を償うんだ。誰に許されたいんだ。」
「……私はきっと、蘭さんとあなたに許されたいのよ。そして……」
悲しそうな顔をコナンに向けるとジッとコナンの顔を見つめた。
「私はお姉ちゃんと、私自身に許されたいのよ。」
何か声をかけようと口を開きかけたコナンは、灰原の言葉に対する言葉が出てこず、口をつぐんで少しうつむいた。悔しさと若干の悲しさをその顔に浮かべながら。
「私は私自身を許すことはないわ……工藤新一を殺し、宮野志保を殺し、宮野明美を殺した私自身を……」
灰原の言葉が途切れると、二人の間に長い沈黙が流れた。お互いに顔を合わせず、ただ後に続く言葉を探しながら。そして、5分程度の時間がたった位で小さく口を開いた。
「……話はこれでおしまい。あなたももう一度元に戻ることを考えていて。元に戻ってくれるのが私の罪滅ぼしの一つになるから……」
コーヒー代を出しながら立ち上がる灰原。その灰原を見るでもなく、コナンは口を開いた。
「……待てよ」
コナンにしては自信が伺えない、弱々しい声で灰原に制止を促した。しばらくコナンをジッと見ていた灰原はまた静かに腰を下ろした。
「……おめえは誰も殺してなんかいない。おめえは被害者でしかない……」
やっと搾り出した言葉は悲しさを多分に含み、自身にも言い聞かせるような言葉だった。
