優しいのか、否か / 「SAYONARA」レビュー | Slow Hunger

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ゴスペラーズを中心に、いろいろと

※『Be as One』に新曲として収録された曲のレビュー、第四弾。

  過去の記事も含め、タイトルに曲名を入れておきました。


一人で別れ話を完結させ去ってゆく、勝手な男の歌なのか。

自分を悪者にして相手を解放する、実は優しい男の歌なのか。

そんな優しい男を装った、やっぱりずるい男の歌なのか。


どのくらい裏を読もうか考えてしまった『SAYONARA』。

たぶん、能天気に聴いているときは「ワルぶっちゃって。実は優しいくせに」と、

当事者的な立場にいるときは「待ちなさいよ!勝手に去るな!」…と思うんだろうな。


どちらにもとれるのは、歌詩に突き放す"優しさ"が透けて見えるからで。

平歌では徹底的に冷たくしているのに、

サビではむしろ「オレのことなんか忘れて幸せになれよ」と言っているみたい。

「PATi-PATi」のインタビューで、

「自分は光も影もほしいけど、この曲では"さよなら"に始終した」と語っていた安岡氏。

隠そうとしても隠せないツメであったね。【狂詩曲のレビュー 】でも書いたように、

決して男性が上位にはなりきらないヤスオカ・イズムがニクい。


詩だけではなく、曲のつくりにもその理由はあるかなと。

平歌とサビの色調がこれだけ違う曲も珍しい。しかもサビのメインは裏声だし。

ファンクとポップを一曲のうちに収めようと思わないよ。

やっぱ変態だな、村上氏(褒め言葉です)。井上氏の編曲にも大拍手っ。

冒頭から緊張感を出してくれたホーンと、熱さを出してくれたドラムもいいっ。


3回目のサビの前半がぐっとシンプルになり、

「ここに捨てれば」が繰り返されることで、サビの後半がより活きてくる。

その前半にはっきり聴き取れる「"村上てつやが二人"現象」は

単純にファンとしてたまらんものがあります。


最後の「もう行かなくちゃ」のくだり、さすがはボビー&ダーリンだと思いました。

「センチメンタル」、まさに村上氏のためにあるような言葉だもの。

「旅が終わる日まで・・・・サヨナラ(台詞)」ということは、だ。

旅が終わったらまた、別な形で会おうぜってこと?

やっぱり優しいんじゃん、ヤング。だよね、「優(ゆたか)」だもんね。