名司令官の帰還 | 鉄火のこまきの平凡な日々時々宝塚

鉄火のこまきの平凡な日々時々宝塚

蘭寿とむさんのご卒業を経てライトな宝塚ファンになりました。平凡な毎日を日記代わりに書いています。食べることが大好きで単純なのに時々変なことを掘り下げ始めますがよろしくお願いします。

1992年初舞台を迎えてからちょうど20年。


月組→花組→と旅をして、最後に宙組で大きな花を咲かせた


大空祐飛さんの宝塚ご卒業、おめでとうございます。


宝塚ファンになって10…数年、たくさんのトップスターさんを


遠くから見送ってきましたけれども…。


トップ退団公演をこんな回数観劇したのは初めてです。


<宙組次期トップスターに大空祐飛が就任>という一報を聞いた


時のあの気持ち、今でも思い出しますが、それだけに


3年後の今、こういう気持ちでゆひさんを見送ることになるとは


夢想だにしなかった。


「先のことはわからない」というのは本当だわ、と思うかなめです。こんにちは。



「7月1日を以て」とかついこの間言った口で挨拶する気か、と


言われそうですが、昨日書ききれなかったので今日までかなめで(おい)


延長でお願いしますm(_ _ )m 



私にとっては、まみさん(真琴つばさ)の子分、という印象だったゆひくん。


大人っぽいケロさん(汐見真帆)、元気玉きりやん(霧矢大夢)、


ピカピカ光るタニちゃん(大和悠河)の間にあって、ちょっとおとなしいような、


印象が薄いような、ほっぺはプク、としているけれど、別に暗いわけではない


けれど、でも<明るい>という形容詞は出てこない、人だった。


今思えば、外見が内面についてきていなかったのかな~、と思ったりします。


しかしあの、まみさん(真琴つばさ)の子分チームの中からトップが3人。


それもすごいことですよね。




夏美ようさんがよく仰る、「手負いの獣」


という表現、ゆひさんにぴったりだなぁ…。


美しく繊細で壊れそうで、でも手がつけられないほど暴れそうで、


気安く近づけない、近くにいても遠い存在。


ショー<クライマックス>のデュエダンのラスト、すみか(野々すみ花)の


胸に抱かれるようにしてセリ下がっていくゆひさんの、軽く目を閉じた


横顔がとても好きでした。


ゆひさんはあの時何を思うのか、


そしてあの姿を見て、長年のファンの方は、


この20年の日々を振り返ったりなさるのか。と想像したりして。


もしゆひさんに「あの時何を考えているんですか」と質問したら


「次の早替わり」という答えが返ってくるような気もしますが(笑)



何を尋ねても、無駄のない、的確な即答が返ってきそうな安心感を、


ファンにも、おそらく組子にも


与えたんだろうな、ということが想像に難くない、クールでクレバーな大空さん。


だからこそ、「クールで」「口数は少ないけど」「とっつきにくいけど」


「初対面の印象は悪いけど」(←ご本人の弁)


あんなに愛され慕われかつ尊敬されて、幸せに飛び立っていくことができたの


だろうな、と思います。


元々ファン数の多さは有名ではありましたが、ココにきてのこの爆発的な


目に見える愛。


中継会場の完売、追加発売、完売、というニュースを見るにつけ、


銀ちゃん(の恋)での、はっちゃけた演技と笑顔を思い出して、


やるね~銀ちゃん!よっ!さすが大スター!と声をかけたくなりました。


スターの花道にふさわしい状況を、自分と、自分が育てた組子の力で


作り出して去って行く大スター銀…イヤ、ゆひさん。


突然宙からおりてきて、使命を果たして宙に還っていったような…


やはり計り知れない力と不思議さを持つ、宇宙人のお嫁さんを連れて(コラ)


宙組に来てくれてありがとう。宙組をまとめあげてくれてありがとう。


…と、私が言うのもなんですが。


まゆさん(蘭寿とむ)が、ゆひさんの下で輝いたこと、


ゆひさんから「スーパー2番手」と称されて嬉しそうだったこと、


「トップ(就任)おめでとう!」


とまゆさんの肩を叩いた時の優しい眼差し、今思い返しても涙目です。


舞台で輝くということは、才能も技量もルックスも大切だけれど、


1番大事なのは人間性と、あきらめない情熱、ということをゆひさんから


教わったような気がします。


あの頭の良さは生まれつき、だとは思いますが、ゆひさんだって最初から


デキた人だったわけではない(きっと)


宝塚歌劇団でじっと静かに積み重ねてきた日々があの血肉になっている


と思うと、若手抜擢、若返りもそれはそれでいいけれど、やっぱりキャリアって


いざというとき、モノを言うなぁ、としみじみ思う。


専科の大先輩方、えりたん(壮一帆)、ともちん(悠未ひろ)、


みっちゃん(北翔海莉)、その長い月日の分も貴重なスターですよね!



キャリア20年にして最高のクライマックスを迎え、華やかに歌劇団を


離れていくゆひさんの、すべてを見透かすようなその瞳に乾杯。そして、感謝!


29日のあの鳴り止まない拍手、そして昨日、映像で遠くから観た


あの場面のひとつひとつを胸に刻み、心に深く残します。


ファンの皆様、長い間お疲れ様でございました。


大空祐飛さんと、男役20年の歴史、この見事なフィナーレに、心から


敬意を表しますm(_ _ )m



そして、いつも元気に弾け、温かく賑やかにゆひさんの花道を飾った


大空(宙)組の組子にも、乾杯!