どちらにしろ転換期には違いなく、めでたいことに変わりないはず | 桃色テラス

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事物に対するあやふやな恋情≒物欲食欲、日日流され忘れてしまうような些事など、雑多な覚え書きの保管場所。
地元茅ヶ崎に関するメモ、私見偏見に満ち満ちた本・映画などの感想も。

あはれ来て野には咏へり曼珠沙華

三橋鷹女が理想です。

友人の結婚式に参列したその日、別の古い友人から離婚した旨を聞いた。
運命論者ではないつもりだったけれど、因果なもんだと感じたのは事実。

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日付が変わった頃、多数の幸せな酔っ払いたちと共に茅ヶ崎駅前のお店で結婚式の三次会を終えた。

腰痛を抱えている身でもあるので四次会は暇を告げ、素面のままでも楽しい気分で友人と帰路についた。


その矢先に電話が鳴った。
高校時代の友人からだった。もう三年以上は姿を見ていないだろうか。
飲み会の帰りで、茅ヶ崎駅前にいるという。週末だしりさが駅前で飲んでるんじゃないかと思って、なんていうから少しうれしくなって三人で落ち合った。

私は9月に入ってから思うところもあり、腰痛で服薬していることもあり、地味にお酒を控えている。


とりあえず安い焼鳥屋に入る。
カウンターで友人と並び、お茶とビールで乾杯したあたりで彼が入ってきた。
変わらない。シワが増えた形跡もない。
良くも悪くも、相変わらず可愛らしい顔をして、相変わらず軽そうだった。


こんな時間に駅前にいるのは珍しいんだよ、実はね。
今日は大切な友達の結婚式だったから。

そんな話をする。

彼は、相模線の終電をのがしたから、歩いて帰ろうと思ったところで、私を思い出したのだという。

橋本まで歩き? アホやん! 何時間かかるの?
イヤ、寒川まで。寒川に戻ったの、おれ。


彼の実家は茅ヶ崎のおとなりさん、寒川町。
彼は、つれあいと娘とともに橋本に住んでいるはずだった。橋本までは電車で一時間の距離になる。友人たちとその家を訪ねていったのも三年ほど前だったかな。


家庭をつくりたい、結婚したいと言いながら、どうにもこうにも女にだらしがなかった彼。身を固めた時、私たちは大分喜んだものだった。
浮気癖もすっかり鳴りをひそめ、いいパパになったようだった。おつれあいが年上だったのもよかったのかもしれない。
仕事の上司とイマイチうまくいかなくなったともきいたけれど、それも復職してそこそこやっているらしい。
幸せなパパのままでいるんだと思ってた。



寒川には単身で帰ったのだという。実家のそばで一人暮らしをしていて、すこし言葉尻を濁しながら、まぁ離婚したんだわ。祝ってもらったのに申し訳ないというようなことをゴニョゴニョいっていた。

そこから先はいつもの歯切れよく胡散臭い“なんちゃって関西弁”で、「もう続けられない」といわれたことや、続けられないと思う理由がわからないことを話してくれた。


とりあえず続く。





* 私と彼が長く友人関係を続けていられる理由は、色恋沙汰がなにひとつなかったから。これ、結構大事みたいね。



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