浜降祭の私的ハイライトはAM2:00 北口ロータリー。 | 桃色テラス

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あはれ来て野には咏へり曼珠沙華

三橋鷹女が理想です。


 今晩から明日(2012.7.16)の朝にかけて、茅ヶ崎市で一番盛り上がる(といわれる)お祭り「浜降祭」が開催され、深夜に担ぎ出された近隣の御輿たちが一路海を目指し、朝日がそそぐ浜辺ににずらりと並ぶ。

 ハイライトは担ぎ手達が海へと入る朝一番の浜辺とその後の神事。各神社からお神輿が担ぎ出される「宮だし」(時刻は神社事に異なる)も見どころだと言われる。真夜中の神社に大勢があつまり、提灯やスポットライトに照らされイザ、とばかりに御輿がでてくる。たしかにそうそう見られるものではない。

 浜降祭の起源やスケジュールはこちらをどうぞ。
 茅ヶ崎市観光協会:浜降祭 
 http://www.chigasaki-kankou.org/event/festival02/index.html

 
 実は、私自身は浜降祭にあまり縁がなかった。
 移住してきた若い世帯が多いと言われる、茅ヶ崎の東部の海辺で育ったためだ。神社にも「管轄」のようなモノがあるのだが、私の住んでいた地域を担当する熊野神社の神社の担当エリアは広い。子どもの足なら家からゆうに1時間は掛かるだろうか。
 同じ「茅ヶ崎の海辺」とはいえ、神事をおこなう浜辺から実家前の浜辺までも距離がある。こちらも子どもなら1時間は掛かる。お神輿が練り歩くルートからも外れているし、成人するまで触れ合うあうことなく育ったのだ。
 
 小中学校によっては半休になることもあるほどのお祭りだから、生粋の地元っコからは「茅ヶ崎人じゃない」と言われることもしばしばだ。面目ない。


 そんなニワカの私が好きなシーンは深夜2時頃の、茅ヶ崎駅北口ロータリー。



 20代半ばだったか。北口の半地下の店で夜半過ぎまでだらだらと酒をのみ、そこのオーナーと一緒にタバコを買いに出かけたんだ。女装っコの美人だったが、昼間は男として過ごしているため、一人で外に出かけるのはためらわれるのだと言う。

 見慣れたはずのロータリー。いつもなら人影も絶えてタクシーもまばらな時刻なのに、やわらい黄色の明かりを灯した御輿が――十機以上だろうか、ぶつかり合うようにして集まって、それ自体がうにうにと動く夜行性の生き物のようだった。なまじ見慣れた景色だったから、「幻想的」と形容することすら憚られるほどの非日常が際だった。


 さて。今日は特段お酒も呑んでいない。起きていたら観に行こう――とよぎったけれど、夜中のアレは、酔いに任せて眺めるのが素敵なのかもしれない。

 今年は朝のビーチにでかけてみますか。
 

*動画: 浜降祭 2011.7.18/chigasaki7777さん
Youtubeで見つけました。Thx!