「人形遣い 吉田簑助 文楽の女にささげた81年」

初回放送日:2021年7月23日

ことし11月に逝去した文楽人形遣い・吉田簑助さんをいたみ、現役最後の舞台「国性爺合戦」楼門の段、戦後の文楽界きっての名演「曽根崎心中」他を放送。2021年本放送

「人形遣い 吉田簑助 文楽の女にささげた81年」 - にっぽんの芸能 - NHK
 

 

放送する地域が限定されましたが、幸運にも視聴することができました。

 

2021年の初回放送は、私は録画に失敗して見られず悔し涙を流しておりました。

このような機会になりましたが、ようやく見ることができて嬉しいやら悲しいやら・・。

 

私が人形浄瑠璃文楽を初めて観たのは2012年12月のこと。

吉田簑助さんが文楽の人形遣いとして生き抜いた81年の活動期間の内、最後の10年ほどしか知りません。

 

この放送を見て、吉田簑助さんがお話されるところを初めて拝見したような、本当に何も知らないにわかファンです。

 

吉田簑助さんてこんな風にお話される方だったのですね。

スーツをダンディに着こなし、紳士的な立ち居振る舞い、優しく品のある大阪弁。

厳しい芸の世界で苦労を重ねて生き抜いてきた人の、なんと穏やかで柔和なお顔立ち。

 

簑助さんの舞台での真剣な眼差し、磨き抜かれた人形遣いの技、工夫の数々、芸を守り伝えることへの情熱・・。

番組では、貴重な映像をふんだんに見せてもらえて、感動で胸が震える思いがしました。

 

2016年に「伊勢音頭恋寝刃」(いせおんどこいのねたば)を観た時の衝撃は、忘れられません。暖簾をくぐって登場したお紺の立ち姿の美しさ。その姿から立ち上る何かが見えたのは、あれは本物の芸のなせる業だった。無知な素人の私にもそれが感じ取ることができるほどの至芸だったのです。

 

とても良い番組ですので、全国で放送してほしいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

話は変わりますが・・・。

 

 

この放送を見て伝統芸能を守り伝えることの難しさを感じましたし、NHKが記録する舞台映像の重要性と役割の大きさも痛感しました。

 

NHKによる宝塚歌劇の舞台中継は、途絶えたままです。

 

NHKに舞台映像がない期間が長く続くということに、宝塚歌劇団も宝塚ファンも危機感を持つべきではないでしょうか。

 

NHKが宝塚歌劇の舞台中継をしない理由を、1日も忘れてはならないと思います。