松竹新喜劇 喜劇発祥120年

一、幸助餅

二、村は祭りで大騒ぎ

 

 

観劇してきました。

 

「喜劇」生誕120周年を記念して、曽我廼家五郎・十郎ゆかりのお芝居を2本立てにてお贈りいたします。(松竹のホームページにより、一部転載)

 

喜劇発祥120年なんだそうです。

2作品とも、記念上演にふさわしい内容で、とても楽しめる見ごたえある舞台でした。

 

「幸助餅」を観るのは私は初めて。松竹新喜劇の演目をいくつか観ていますが、中でもこの作品はクラシカルでじっくりと芝居を楽しめる作品という印象を受けました。

歌舞伎、落語にもなった名作なんですね。

 

主役の幸助を演じるのは藤山扇治郎さん。

最初の登場で、廓の門に手を置いて背中で芝居をする姿に感心しました。

 

幸助は、波乱の人生を送るのですが‥。

堅実な商家の旦那様としての一面と、相撲に狂って妹を廓に売ってしまう両極端な面を持つ人間で、幸助の不幸は自業自得な面もあり、私は幸助に振り回される家族に同情してしまいました。それでも、愛すべき旦那様という面も併せ持つ幸助。

 

やりがいのある、難役なのでしょう。

 

雷(いかづち)を演じる 曾我廼家八十吉さんが、立派な見た目同様に、人間としての器量の大きさを感じさせるお芝居が見事で見惚れました。

自らを「芸人」と言いながら高いプライドを持つ、かっこいい役ですよね!

 

 

里美羽衣子さんは、芸者さんの役で華やかに登場。綺麗な着物を着こなして所作の美しいこと。一場面の短い登場でしたが、満足。

曾我廼家いろはさんの芸者さんとはライバル関係なのでしょうか?ちょっとした表情・仕草にも二人の芸者さんの背景を想像させられました。

 

ところで、私は三十両の流れが気になって仕方ありません。

三つ扇谷→幸助→雷→三つ扇谷→幸助(ここで最初と2回目の合計で六十両の借金)→三つ扇谷に全額返済→三十両を雷へ→幸助

であってますか?野暮なことと思いつつ・・。

 

「幸助餅」が終わって幕間休憩の時に、

「お芝居は面白かったけれど、最初は何を言っているのか分からなかった」

という若いお嬢さんの会話が聞こえてきました。

 

雰囲気たっぷりのお芝居で、笑いも人情も感動もあり、私は大満足でしたが、時代がかった大げさな台詞回しが確かに「分かりにくい」かもしれませんね。

 

でも、古い大阪の言葉は美しいでしょう?これに懲りずにまた観てね!と、心の中で思ったのでした。

 

 

「村は祭りで大騒ぎ」は、元は時代物だったようですね。時代を昭和に置き換えて、再構成されたのかな?開演前のご挨拶で「30年前のお話」と説明がありましたが、あれはどう見ても、50年前では・・・。

 

主役は川中美幸さん。

演歌歌手としてはもちろん存じ上げていましたが、川中さんがお芝居をされるの知りませんでした。とてもお上手で、そして可愛くて楽しい方でした。

最後に歌も歌ってくださって、ミニコンサート状態。ユーモアたっぷりのMCもよかったです。熟練の歌声を、生で聴く迫力に圧倒されました。

 

終演後の挨拶で川中さんが「雷を演じてみたい」とお話されていました。それを聞いて、ウンウンとうなづく私。また松竹新喜劇に出演されたら、観に行きますね。

 

 

11月にも大阪松竹座で松竹新喜劇の公演が決定されているそうです。

演目を観客の投票で決めるキャンペーンを19日まで実施中でしたので、私も投票してきました。投票者プレゼントもあるのだそうです。当たるといいな♪

 

 

 

 

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