「現代能 マリー・アントワネット」を観るため、名古屋能楽堂に行ってきました。
浅間町駅から10分くらい東へ真っ直ぐ歩くと、巨大な加藤 清正公の像に迎えられる形で名古屋能楽堂前に到着。清正公の後ろにあるのが能楽堂です。
東京の国立能楽堂と同様に、名古屋能楽堂も雰囲気のあるとても綺麗なところでした。正面玄関を入った時から、能の世界に包まれるような気がしました。はるばる名古屋まで来てよかったと思えたのが嬉しいです。
玄関を入ると右手に舟弁慶の人形が。その前に本日の公演の案内が出ていました。
↓弁慶と牛若丸
名鉄ホールチケットセンターの記事を読み、上演演目として「舞踊 時雨西行(しぐれさいぎょう)」が予定されていることを知りました。そこで「時雨西行」についてちょっと予習していたのですが、観られなくてガッカリ。
「舞踊 都風流」に演目が変更されていたのでした・・・。時にはこんなこともありますよね。
舞踊の後、初演・再演ともにあった植田 紳爾さんと西尾智子さんのトークがありました。お話しの内容は初演・再演時とほぼ同じでしたが、今年はいよいよ「現代能マリー・アントワネット」をパリで上演することになりそうとのこと。
夢のような企画だと思っていましたが、長い月日をかけて準備をしてついに実現するのですね。おめでとうございます!!凄いことですね。
私の席は「脇正面」でした。今まで観た能楽堂は東京の国立能楽堂も大阪の大槻能楽堂も正面の席でしたので、脇正面は初めて。見え方が違うのでとても新鮮でした。それに舞台を照らす照明も見えて、なにやらお得な感じでした。
プログラムを見ると、登場人物の中に薔薇の兵士やマリー・アントワネットの侍女の名前が。こちらは初登場です。
演出も少し変わっていました。登場人物が増えた分、マリー・アントワネットの場面が減っていたような気がします。
減ったせいで、マリー・アントワネットの悲劇性が薄れた印象を受けました。(東京の初演と比べての私個人の印象ですが)
マリー・アントワネット役の梅若実玄祥さんは、昨年大病をされたとか。
出演場面と上演予定だった演目の変更は、演出の変更が唯一の理由であるといいのですが。
今回は薔薇の硝子行燈も無くなっていました。薔薇の行燈は幻想的な美しさがあり演出効果抜群だったのに、どうして?
扇のデザイン等、他にも少しずつ変わっていました。パリでの上演に向けて、これからもブラッシュアップされていくのでしょう。最終的にどんな風になるのか?私はパリには行けませんが、興味津々です。
終演後、名古屋能楽堂を出て振り返ると清正公に見送られているような感じでした。