松竹創業130周年
【大阪松竹座】松竹創業130周年 秋だ!笑いだ!松竹新喜劇 九月公演
観劇して来ました。
通いなれた大阪松竹座。私にとって、おそらくこれが最後の観劇になると思います。
来年で閉場だなんて・・。今もどうして?という疑問が残ります。寂しいし、残念だし、悔しい。
エントランスでプログラムをいただきました。
目に馴染んだこの風景。立った状態での3階からの眺めですが、客席が近いですよね。3階席でもそれなりに余裕のある座席で観やすいです。
今日観た演目はこちらです。
一、愚兄愚弟 三場
二、駕籠や捕物帳 三場
「愚兄愚弟」は、昭和27年(73年前!)初演とのこと。
時代を1970年の大阪万博に設定を変えています。それでも55年前・・・。大昔のお話です。
昔のお話を説明も言い訳もせずに、直球で現代の客席にぶつけてきたな!と感じました。
子どもの頃、テレビで観た松竹新喜劇そのものの舞台、懐かしいやら古臭いやら、でも確かにそんな時代だったなと、少し感傷的な気分にもなりました。天笑さんと一蝶さんのお芝居もとても良かったです。
「駕籠や捕物帳」は、辰巳ゆうとさんをゲストに迎えた華やかな時代劇。
時代劇っていいです。色々気にせずに済みますし、女優さんたちの煌びやかな着物姿に目も心も癒されます。
中臈岩花を演じるゆめ ゆかりさんのお芝居を観られたことが嬉しかったです。浮浪者から中臈まで自由自在に演じるとは、なんという演技の幅の広さでしょう。これは松竹新喜劇のベテラン女優さんならではの魅力ですよね。
里美羽衣子さんが腰元役というのはプログラムで確認していたのですが、登場されてビックリ!
華やかな振袖のお姫様ではないですか!儚げで可憐な表情と優し気なたたずまい。いつも綺麗だなあと見とれる所作の美しさ。双眼鏡でシッカリ拝見しました。
お殿様と盗賊役を一人二役で演じる辰巳ゆうとさんの熱演も見応えありました。
「白玉」のような白塗りの甘い二枚目で、少しとぼけたところもあるお殿様。
盗賊は頬かむりをして顔を隠しているけれど、大きな目元が印象的で美貌を隠し切れない感じ。
松竹新喜劇初出演で主役と言える大きな役どころ、しかも早変わりも立ち回りもある役を演じるのは大変だったでしょうね。(素人が偉そうなことを書いてすみません)
終演後に辰巳さんのお歌も聴けて、お得感あります。
昨年松平健さんの舞台に出演されていたのを観たので知ってはいましたが、歌が本当にうまくてね。耳が幸せでした。
藤山扇次郎さんと曾我廼家桃太郎さんは駕籠かきの役で顔だけでなく、草鞋をはいた足まで汚して登場されていました。
辰巳さんのお殿様の無茶ぶりで、この二人が大汗をかいて走り回るお芝居の場面が見どころの一つ。
「喜劇の原点ともいわれる「俄(にわか)」と呼ばれる即興芝居」とプログラムに記載がありました。
大阪松竹座が無くなっても松竹新喜劇は無くならないで!と思います。