きのうは
松山 英樹のマスターズ優勝に
感動させられた。

テレビをつけたのは
バックナインの上がり
5ホール目くらいだった。

二位と5打差あって
安全圏かと思いきや、
いきなり池ポチャするし
同じ組の相手は
4連続バーディーと乗って来て、
二打差にまで縮まり
スリリングな展開となった。

最後はバンカーにつかまり、
脱出をミスったら
プレーオフの可能性もあったが、
見事にピンチを乗り切り
ウイニング・パットを決めた。

一昨年のシブコに続く
快挙である。



これまでも、
マスターズは視てきた方だが、
バレステロスやランガ―が
全盛の頃がもっとも熱が入ってたが、
最近は知らない海外選手が増えたのと
タイガーの不倫騒動で嫌気がさして
しばらく視聴を離れていた。

中学生の頃、
父親が突然、庭に
練習用ネットを設置して
毎日、一籠ボールを打ってたので、
自分も真似して
ハーフセットを買ってもらい
コースにも連れていってもらった。

教員時代に
いちばんのマイブームになり、
近所の練習場に
ずいぶんと通いもし、
テニスのサーヴと同じく
インテンショナル・フック(右曲げ)と
スライス(左曲げ)のスピンボールを
打てるまでにはなった。

ただ、ドライバーでは
スピンをかけることができず、
ついぞ、フェードもドローも
習得できずじまいだった。

それでも、
事務の藤沢さんとは
月一でコースに出ていた。




全英を制覇した
シブコにもっぱら肩入れして、
男子には見向きもしなかったので、
松山のこともほとんど
知らなかったが、
東北福祉大の出で
仙台で3.11を体験したので、
復興の為にはずいぶんと努力したという。

優勝後のインタビューで
その事に触れると、
一瞬、涙目になって
感極まった表情には
同じ被災者としてグッときた。

日没の西日を浴びて
ほくそ笑むグリーンジャケット姿も
カッコよかったが、
クラブハウスでの
インタビューでの
キリリと引き締まった表情も
「闘い終わった男」の顔らしく
武士(もののふ)のような
精悍さが素晴らしかった。

中継の中嶋も驚嘆・感動し、
丸ちゃんは号泣していた(笑)。

シブコが世界の壁を破り、
すぐに、松山がそれに続いた。

ある現象が
臨界点をブレイクスルーすると
ダムの決壊のように、
それに続いて連鎖反応が起こる、
というシンクロニシティは
よく見られることである。

100m走で10秒を切る選手が
最初に現れると
間を置かずに、次々と
当たり前のように9秒台の選手が
各地に登場するのである。

これは、シェルドレイクの
「モルフォジェネティク・フィールド説」
(形態形成場説)とも言う。

具体的には、
あらゆるシステムの形態は、
過去に存在した同じような
形態の影響を受けて、
過去と同じような形態を継承する
(時間的相関関係)。

離れた場所に起こった
一方の出来事が、
他方の出来事に影響する
(空間的相関関係)。

形態のみならず、
行動パターンも共鳴する。

簡単に言えば、
直接的な接触が無くても、
ある人や物に起きたことが
他の人や物に伝播する、
ということである。

この考えは、
シンクロニシティ(共時性)と
同じように
「仮説」や「アイディア」の類で、
疑似科学であるという
批判もある。

それでも、
起こることは起こるのだから、
仕方がない(笑)。

ひょっとすると、
池江 璃花子の奇跡の復活劇も
同じフィールドの影響かもしれない。







松井の優勝で
気分がよくなったので、
春休み最終日を
海に行こうかと思ってたが、
予定を変更して
懐石料理の『多可橋』に
予約を入れて、
正装して赴いた。

春夏秋冬に一度ずつ
季節の変化を料理で
味わいに行っている。

京都から帰福してすぐに
信夫山裏にあった
『花の坊』という
名懐石店を見つけて
カミさんともよく通ったが、
惜しくも潰れてしまい、
その料理長の高橋さんが
独立して街中に出店した。

だので、
もう二十年くらいの
お付き合いである。

きのうもカウンター越しに
楽しく歓談させて頂き、
その技の冴えを
堪能させて頂いた。

五島列島出身の
女将さんのおもてなしも
品がよく暖かで、
心癒されたひと時であった。





最後の一服を喫茶するために
先付けから始まり
次から次へと
佳品に舌鼓を打った。

昼餐で尚、車出なので、
これを酒肴と出来ないのが
いささかの残念さがある。

これらの九品で
税込み2.400円は
破格値の「ミニ懐石」である。

きのうは
平日にもかかわらず、
多くの二人連れが
会食に来店していた。





最後にカウンター席の端に
そっと飾られていた
名残りの椿を
「残心」の思いで愛でながら、
満腹、満足で
高橋さんと女将さんに
お礼を申し上げて
辞去した。






ミカちゃんから
リク坊ちゃんの
ユーモラスな写真が
何枚も送られてきて、
カミさんと
目を細めて見入っていた。

小ちゃな背を丸めて、
オモチャ箱の中を
さぐる様子に、
カミさんが
「たしか、ここにー…」
という
キャプションをつけて
笑えてしまった。