きのうは
35℃にもなる残暑で
アチチな一日だった。

心理臨床でも
しばしば「揺り戻し」という現象が
観察されるので、
自然界とシンクロしてんだなぁ・・・と、
改めて認識した。



先日、ご他界された
ドイツ文学者・池内 紀さんの語録に
「貧乏は人生を真剣に生きさせる」
というのがあって、
いい言葉だなぁ・・・と、
その含蓄を味わっている。

もっとも、
「貧すりゃ鈍する」
「貧しくして恨むこと無きは難し」
とも落語には出てくる。

それを難儀と感じて、
「難負け」するようでは
ツマラナイ。

『雑俳』に出てくる・・・

 貧乏をすれど
  我が家に風情あり
   質の流れに借金の山

・・・くらいの、
余裕をもって味わえれば、
通人・達人の領域となろう。



曽野綾子センセに言わせれば、
「ほんとの貧しさ」とは、
その日の食事ができるかどうか
という瀬戸際にある状態で、
日本人のように、
好みのクルマが変えないからビンボー、
なんていうのは
論外であるとのことである。

庭付き一戸建てに住んで、
クルマに乗って、
エアコン効いた部屋で
読書したり音楽が聴けて
日々の食事に事欠かずに
毎日入浴できる・・・
それで、ビンボーしてます、
なんては言えないのかもしれない。

【満足している者が、いちばんの金持ち】

【錦を纏いて憂う者あり。褸を纏いて笑う者あり】





きのうの
『大草原の小さなおうち』も
秀逸なエピソードだった。

ドラマ版は
原作からは全く独立した
スピンアウト物であり、
一つずつのエピソードが45分で
丁寧な作品に仕上がっている。

今回の『ローラの祈り』は
前後編の1.5時間物だったので
秀作映画のようだった。

母親が第4子として
待望の男児を出産し、
娘三人の父は大喜びするが、
その入れ込みぶりに
多感なローラが寂しく哀しくなり、
弟が大変な病気で家族が心痛める中で
“願ってはならないこと”を
心に抱いてしまう。

そして、
とうとう弟が天国に召されると、
ローラは自分の密かな願いが
「呪い」だったことに愕然とし、
家出をし、ひとり荒野の山頂に向かって
神様と命の取引きをする。

そこに現われる
ジョナサンなる山男が、
ローラの秘密を共有することになり、
互いに「神」について
真剣に語り合う。

そして、
トリックスター的な彼との三日間で、
ローラの願いは神へと届き、
書置きを見て、自分を責め
泣きながら探しにきた父が
ローラを見つけて抱きしめる。

ローラが
山頂で飢えと寒さを凌ぎ
生き長らえられたのは
ジョナサンのおかげ・・・と、
父に告げて、振り返ると
彼の姿は何処にも見当たらなかった。

彼は神の顕現だったのか・・・
という含みを抱かせて
物語が閉じられた。

かねがね、
信仰の大切さが
ドラマに通低する
ひとつのテーマにもなっているので、
〈神聖なるものの顕現〉という意味の
「エピファニー/epiphanie」なぞという
言葉が思い浮かんだ。

もっとも、ジョナサンは
悪事を為して山に隠棲してて
街の人間に見られないように
身を隠したのでは・・・(笑)、
というヘソマガリの解釈も
できるのだが・・・(笑)。

この秀逸ドラマのおかげで
毎週土曜日が楽しみになった。

シーズン8まで
あと100話ほど楽しめそうである。




駅前にできた
“ピンク・ショップ”
(アダルト店でなく・・・笑)に、
カミさんにエスコートさせて
恐る恐るジジイが
ブログ取材に行ってみた(笑)。

今流行りの
タピオカ・ドリンク店だが、
ワッフルもあるので、
それをランチ代わりにした。

案の定、
JC/JK連れや女性ペア、
母娘たちで満ち満ちていたので、
カミさんにせがまれて
嫌々同伴したという老爺の
小芝居をしながらも、
興味津々であちこちを撮りまくった。

いやー・・・
エアコンからテレビ、
コンセント・・・まで、
ありとあらゆるアイテムが
徹底的にピンクに統一されており、
なんだかファンシーな別世界に迷い込んだ
アリスみたいな気分になった(笑)。

何処を切り取っても
インスタ映えしそうなので、
誰もがあちこちでパシャパシャと
自撮りしていた。

カミさんが
「ついでにトイレも撮ってきたら?」
と言うので、
またまた、仕方なく・・・
という小芝居をしながら
恥ずかしげな店内を移動して、
その実、ワクワクしながら
入ってみた。

意外にも、中は
ピンク一色ではなく
虹色のメタリックなラメの壁紙が
総貼りにされており、
ライトアップ効果によって
まるで宇宙空間にいるような
錯覚に陥るようだった。

供されたワッフルは
ドレッセもインパクトがあり、
カリリと焼き上げられて
ちゃんと美味しかった(笑)。

カミさんも
面白がって
「今度、テニスの女子会で来ようかな」
と気に入ったようである。

「人生深生き」
「人生を遊ぶ」が
モットーなので、
こういう好奇心は大切にしたい
と思っている。

〈新奇好き/珍奇好き〉は、
人間の本性にある
「ネオフィーリア」と
生物学者のライアル・ワトソンが
提唱していた。

英語の「novel/小説」は、
ラテン語の「novellus/新しい」が
語源である。

フレンチ界では
「ヌーヴェル・キュイジーヌ」
〈新しい料理〉というのが
かつて一世を風靡した。

•innovation(革新)
•nova(新星)
•novelty(珍しさ)
•renovation(修復)
・・・と「nov」がついた
カタカナ日本語も少なくない。





幾度も訪れた
裏磐梯の『諸橋近代美術館』をパクッて、
自分の生涯作品カタログとして
『佐々木 修 現代美術館』を
5冊に冊子化して、
コンサートや講演後の
頒布会などにも持ち込んでいた。

そこからさらに、
280点をセレクトしてFBに
ヴァーチャル・ミュージアムを開館した。

久しぶりに、
ずらりと一覧してみたら、
自選では、この4作品が
ベスト4だなぁ・・・という
感じだった。

自画自賛の順位では、
【特選】が「水遊び」
【金賞】が「合唱」
【佳作】が「猫」
【入選】が「吾妻山」

山木屋地区の
秋の文化祭での
「写真展」の作品公募があったので、
この4点をプリント・アウト&額装して
出品しようかと考えている。

作品の一部は
Y中の広いロビー・ギャラリーにも
展示されるというので、
SCの趣味の一環としても
楽しんでもらえるかもしれない。