高校時代から油絵を始めて
今でも、時折、描くことがあるが、
二十歳(はたち)の
リサイタルで得た収益で、
近現代美術全集20巻を買い、
初任のボーナスでは
ルネッサンス・古典派美術全集20巻を
買い揃えた。

20代には
それらを随分と模写して
独学で勉強した。

この頃の本業は、
生物教師だったので、
現代生物学と
大学時代より始めていた宇宙生物学の
勉強は必須であった。

30代では、
諸井誠の名著『交響曲名曲100曲』を
テクストとして体系的に
150曲ほどのレコード、CDを蒐集して
スコアを読んで勉強していた。

同時にリュートのCDを
200枚まで蒐集して
楽曲の体系的把握に勉めた。

この頃は、
本業を心理屋に変えたので
明けても暮れても心理学の勉強
一筋だった。


そして、40代は
『ピアノ名曲100曲』『室内楽名曲100曲』
『バロック音楽名曲100曲』をテクストにして、
それらに耳を傾け、それは
現在にまで至っている。

そして、かねてより
50代は、「文学の時代」にしよう
と目論み、日本文学全集、世界文学全集を揃えて
暇を見ては作品に当たってきた。



文学へは、
映画を観る、朗読を聞く、
そして原作を味わうという
多元的アプローチをしている。

そして、インプットした分
アウトプットとして
自分でも創作作品を書いて
投稿したりネットで発表している。

このブログも
「日常的雑記」
として、何処か荷風の
『濹東綺譚』や『断腸亭日乗』、
或いは、狐狸庵先生の
『作家の日記』を意識して
綴っている。



今は、映画に刺激されて
デュマの『モンテ・クリスト伯』を
精読している。

映画はメイン・ストーリー一本だが、
原作ではサブ・エピソードこそが面白い。

ニ段組600頁が3巻なので、
たいへんなテキスト量である。

それでも、連ドラを愉しむように
ちまちまと読んで味わっている。




BSの『アンナ・カレーニナ』は、
渡辺美佐子の朗読を何度か聞いたが、
ロシア文学の常で、
オブロンスキー、ヴロンスキー・・・と、
名前がややこしく
なかなかすんなり頭に納まらない。

この映画も2.5時間のスカスカな
内容だが、朗読や原書の
場面や背景の雰囲気把握には役立った。