忘れもしない
2年前の2時46分。

突然の震度6の激震に
3分も見舞われて、
生きた心地がしなかった。

そして、その後、
海沿いでは2万もの人々が
津波で亡くなった。

福島では原発が爆発し、
放射能汚染により
屋内待機となった。

かなり本気に
死を覚悟した。

水が止まり、
毎日、給水車にならび、
小川に下水を汲みに行った。

ガソリン不足で
スタンドには長蛇の列。

万一、次の原発が爆発したら
脱出するのに、どうしても
ガソリンがなければ、
死を意味していた。

老母は、放射能が理解できず、
家を出るくらいなら、
ここで死ぬと言う。

それもリヴィング・ウィルだと、
残していくつもりだった。

低線量に下がっても、
街中、マスクに帽子にオーバーという
まるで核戦争戦時下のような
井出たちの人々の姿ばかりだった。

福島の人間は
現代に復活した「穢多」のごとく
避難した県外で迫害差別された。

人の心の「鬼」をも見、
また、空前の義捐金で「仏」も見た。

2年過ぎても、除染はおろか、
被災地の復興は依然として
進んでいない。

腐敗政権とお役所仕事で
被災者はいつまでも
置き去りにされている。

震災関連死が2.600人、
原発自殺が61人も
いるというのに・・・。


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人生随談

奈保子 ついでと言っては何ですが、お勧めの…と言いますか、先生が感動された噺を教えてください。今度、聞いてみたいと思いますので。
先生 ああ、いいですよ。女子高生にも教えたもの。
死ぬ前に聞くとしたら、これしかない『生涯の十席』というのを決めてあるんです。                

1.唐茄子屋    志ん生 
2.薮入り     金馬
3.味噌蔵      円遊
4.二番煎じ    可楽
5.崇徳院     三木助
6.愛宕山     文楽
7.一人酒盛    円生
8.阿武松      談志
9.首提灯     枝雀
10.池田の猪買い  米朝

 半分は喰いモンの噺なんですよ。イヤシイからかな…(笑)。
奈保子 私もいくつか聞いたのがあります。今度、探して聞いてみます。
先生 今度、いつか、落語随談もやってみましょうか。
奈保子 あ、それもいいですね。もっと沢山、聞いてみます。
先生 ハマりますよ~(笑)。