リュートフォルテが
値引きしてようやく落札された。

ちょっとずつではあるが
楽器陳列棚からぼちぼちと
在庫が捌けつつある。

現在も古いボディを改造した
リュートフォルテが
1本完成間近である。

この調子で暮れまで
トントンと調子よく
捌けてほしいものだ。


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『教育随談』


「火事と警報器」の原理
奈保子 同じ子が何度も繰り返し問題を起こすというケースがあると思うんですが、そういう場合は、心のなかに何かしら解決できていないことがある、と考えなくてはならないのでしょうか。
佐々木 そうですよ。それはね、喩えて言えば、火事になると、けたたましく鳴る火災報知機があるでしょ。このとき、警報器を止めても火事は消えるわけないんで・・・。そんなことは子どもでも解る。火事を消せば必然的に警報器は鳴り止むんだから。こんな当たり前のことを、教育現場では、未だに理解されてないふしがあるんだなあ。
奈保子 ほんとうですか? 
佐々木 だってね、ある生徒が万引きしたとするでしょ。それで特別指導になって停学になりますわね。でも、しばらくして今度は家出したり、暴力問題を起こしたり、あるいはリスカしたりする、なんてことがよくあるんですよ。
奈保子 なるほど。そのたびごとに、対症療法的に、場当たり的に、問題行動に対処するだけ、ということが、「火事のとき警報器を止める」ということなんですね。
佐々木 その通り。服装の乱れとか、成績の低下とか、いずれもサインに過ぎないのであって、それは「心の火事」によって引き起こされた警報器のサイレンなわけでしょ。
奈保子 ですよね。教育現場では、ともすると、表面の現象のみを改善させることに労力を使っているんですね。
佐々木 そうそう。警報器をいかに止めるかばかりに気を奪われて、肝心のその警報器を鳴らししめた「心の火事」の消化活動をしようとはしないんですよ。
奈保子 姑息的療法ばかりで、原因療法というか根治療法に取り組まないわけですね。
佐々木 火種が消えていなければ、いつかまた警報器はなるでしょ。不振火のように必ず別な形で問題は起きてくる。
奈保子 では、今、心の火種を消す消火係がSC(スクールカウンセラー)の役目でもあるんですね。 
佐々木 そうなんです。それと、先生方に「火事と警報器」の原理に気づかせることも仕事なんですよ。