
庭の桜とレンギョウが
花を咲かせた。
青空に薄桃色と黄色が
まことに美しい。
例年なら
心も春めいて
浮き立つような気分になるのだが
震災の春は
心が沈んで
ひっそりとしている。

どちらも手植えのものが
5年で大きく成長してくれた。
なんだか
我が子のようでもあり
うれしい。
桜には、サクランボがなるが
いつも青いうちに鳥に食べられたり
落下して、ルビー色にまで
なったことがない。
かといって、本格的に
ネットを張るのも手間であるので
あるがままにしておく。
もう一本あるナポレオン桜の花は
時間差で咲くが、本来、
授粉用に植えたものなのに
ちっとも用をなしていない。
隣の桃も、去年から結実せず
あまり元気がない。

レンギョウの生命力は凄まじく
若葉が出た後は、グングンと
身の丈を伸ばし
二階の窓近くにまで
届く勢いになる。
年に何度も剪定しているが
それでも伸びが速い。
土壌に適したのか
とにかく庭いちばんの
成長株である。
あるがままだまつて咲ける花見つつ
本物の姿
改めて思ふ
美しき自然
黙して見るわれに
見せようとせず
見られようともせず
碧水歌
.