小さな悪の華 | むすめの右フック

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小さな悪の華 (1970)
原題:MAIS NE NOUS DELIVREZ PAS DU MAL
時間:108分
製作国:アメリカ
ジャンル:スリラー

【監督】ジョエル・セリア
【出演】カトリーヌ・ヴァジュネール / ジャンヌ・グーピル / ベルナール・デラン / ミシェル・ロバン / ジェラール・ダリュー / マルク・デュディコール / ヴェロニク・シルヴェール



これは、少女の残虐性を描いたお話。





これは、実際にあった事件をモデルにして作られたお話で、
二人の少女が、殺人を犯すっていうショッキングな内容の
お話になってます。





修道院の寄宿学校で学ぶ女の子二人。
彼女たちは、とにかく悪いことが大好きで
夜中にこっそりエロ小説とか読んで喜んでる。

ま、そのアタリは、どこにでもいる学生ですよね。
いや、少なくとも私の学生時代はそうでした。あははっ





で、さらに牧場の干し草に火をつけたり
色仕掛けで男を誘って、タコ殴りにしたり
背徳行為を繰り返しては、喜んでるんですね。

これは、好奇心旺盛な多感な時期に 規律の厳しい
宗教学校で抑圧され、その反動が出たんでしょうか。
このアタリは、アメリカン・ニューシネマな香りがして面白い。





で、この映画は、そんな彼女たちが何故、殺人を
するまでに至ったのか。を描いてるわけじゃなくてですね。
既存の価値観に馴染めない彼女たちの発露を描いたお話です。

簡単に言うと、悪いことをするのは楽しいなぁってことですw
いや、私も子どもの頃は、散々、悪戯しましたよ。ここでは
言えないようなことまで。わははっ





ただそれも ある時期からしなくなるんですね。普通は。
いや、彼女たちも そうだったと思います。ところが、
彼女たちは、後戻りできなくなってしまうんですね。

劇中、リーダー格の女の子がですね。
涙を流すシーンがあるんですけど、あそこが、
後戻りできなくなってしまった瞬間だったんでしょう。

封建的な村社会。しかも敬虔なクリスチャンの多い片田舎。
彼女たちのような人は、自分を殺して生きないといけない。
こう レズっ気があり、Sっ気のあるビッチな子はw





で、彼女たちは、私を理解してくれるのは貴女だけっていう
孤立感から 自分たちの世界、自分たちの価値観を構築して
いくんですね。こう 悪魔教を立ち上げるわけです。

で、この映画、実際の事件をモデルにしてると言っても
かなり脚色してあるんですね。で、実際の事件を詳しく描いたのが
ピーター・ジャクソン監督の「乙女の祈り」なんですけども

そちらは、タイタニックで一躍有名になった
ケイト・ウィンスレットのデビュー作でもあるんですが、
これ、凄いんですよ。いや、何が凄いって、





彼女が、パンパンでw

と言うわけで、危うい年頃の女の子たちの
甘く危険な香り漂う刹那的な青春映画。青春映画?
いや、ま、青春映画ってことにしといてくださいw

で、そうそう ビックリなのは、このモデルとなった女性は、
今もベストセラー作家として、ご活躍中なんですね。
いやぁ、事実は映画よりも奇なり、




ぜひ、お試しあれ。