=第15話「一夜明けて」=
マンチカンの3兄妹が無事に産まれてから、数時間後には毛がふさふさな状態で、元気にお乳を飲むようになりました。産まれた直後は猫らしからぬ姿だったのに、あっという間に猫になりました。子猫の変化のスピードには本当に驚かされます。
パパになったティオ、ぐれおじさん、ゆき姐は物珍しそうに覗きに来ていましたが、特にぐれおじさんは、メルママのことも気にかけながら、そばにいてくれました。一方、ティオパパときたら、興味本位で子猫をのぞき込んでは、
「シャーッ!」
まったく、なんて臆病な猫なのでしょう。
そんな様子なども楽しみながら、僕とYuさんは子猫に釘付けでした。
ちなみに、子猫の名前はYuさんが付けました。
まず真っ先に決まったのは長女の「ミュウ」。Yuさんは昔から可愛い子猫を飼うことになったらこの名前を付けたかったんですって。
そして、次女は「モコ」。茶色でモコモコしてたから。
長男は、、、
「白い子」
この子だけ名前が決まりませんでした。
しばらく「白い子」と呼んでました。
なんか呼びやすかったから。
「ルナ」という名前がついたのはしばらく経ってからでした。
そんな名付けを楽しんだり、延々と写真や動画を撮りながら、
「子供が産まれたパパってこんな感じかな」
なんて心地良さに浸っておりました。
ところが、ある時ふと、おかしなことに気づきました。
いや、産まれた時に「おや?」とは思っていましたが、時間が経っても変わらない状況に、
「これは、まずい」
と思ったのです。
3番目に誕生したモコたんの後ろ足が、ほかの2匹と違って内側に曲がったままなのです。まるで、手を「ぐー」の形にしたように。
そして、後ろ足を引きずるように歩くんです。
生まれた瞬間は、まだ直後だからかなくらいに思っていたのですが、他の子の様子と明らかに違う。
「ひょっとしたら、、、」
考え出したら急に不安が増幅して、
僕とYuさんはモコたんを慌てて病院へ連れて行ったのです。
第15話 完