雑記5
『プロはここが違う!オペラ歌手から学んだこと。』
コロナの影響で、コンサートや舞台が軒並みキャンセルになった。
昨年まで当たり前だった日常は、いつ取り戻せるのだろう。
昨年いくつか舞台を観に行ったが、その中でも「ラ・マンチャの男」と「カルメン」は
特に忘れられない作品となった。パフォーマンスの素晴らしさは言うまでもなく、
その人が醸し出す波動というか、人間味が伝わって自然と涙が溢れてきた。
舞台は、出演者と観客が一緒になって作りだす生ものだから、
密閉された空間、近距離での接触ができない今、
活動が制限されたパフォーマーの方たちは、不安な日々を送られていると思う。
先日、舞台をひらいて、そこでコロナの集団感染が発生したとの現実が
再開への道に、途方もない影を落としたのではないだろうか。
私は一昨年から近所のソプラノ歌手の先生に師事して、月に一度、歌を習っている。
「へた」で始めた歌も、プロに教えてもらうと、人生初の音域まで出せるようになるものだ。
声の出し方にはコツがあると体感した。殆ど誰でも、コツをつかめばある程度の音域まで
出せると思う。私は高い音域は「ミ」までしかでなかったが、今は「ラ」までは出る。
来ている生徒達は私のような主婦やコーラスで活動している人、いわゆる
歌う事を趣味とした普通の人たちが多い。(中には音楽を専攻するために
受験対策として習いに来ている方もいるようだ。)
普通の人たちも、プロにコツを教わることで声をドンドン出せるようになる。
しかし、音域を広げることはできるが、「プロとはここが違う!」
発声法などの技術的なことは当然なので、これは置いといて、
歌詞を咀嚼して表現するその表現力が圧倒的に違う。
私の先生も普段の生活のあり方が自分のパフォーマンスに透けて見えるからと、
誤魔化さず、誠実に、とても丁寧に生きている。
そこの手を一切抜かない。一流のものに触れ、常に自己鍛錬し続けている。
好きな歌のために、そんなストイックな日々を何十年も送っている。
集客し続けるプロはやってることが本当に凄い!
先生を始め、プロの方たちは今日も地道な努力を繰り返している。
一日も早く、コロナが終息し、安全に舞台を楽しめる日が来ることを願ってやまない。